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データセンターを利用する場合、ラックを借りるコロケーションサービスとサーバーを借りるホスティングサービスと大きく2つに分かれます。この2つのサービスコストに大きく関係するのが、1ラック当たりの冷却容量や、空調効率指標PUEです。
サーバー利用料やデータセンター設備は償却費として何年間から分割された月額がコストになります。データセンターは数十億円も掛けて建築されるビルも多いですが15年償却から30年償却ですので36億円掛けて建設されても、1年1.2億円、1か月1,000万円、総ラック数が500であれば、1ラックの借用コストに占めるデータセンター建築費はわずか2万円になります。
60万円のサーバーを借りる(レンタルする)時、日本の法律では5年償却ですので1/60となり借用コストのうち1万円になります。サーバーは1ラックに5台程度収納するとして、サーバーに掛かるデータセンター建築費コストは2千円になるのです。
これにサーバー管理人件費やユーザーサポートコスト、電気代、利益が加わるのですが、サーバー管理人件費は1,000台/1人から最新オーケストラシステム(CloudStack、OpenStack)を使い、監視ツールもオープンソフトであるZabbixなどを使えば、もっと多くの台数を管理できる時代となり下がる傾向です。ただし、24時間365日監視のため交代要員も必要です。
電気の制限はどうでしょうか? 5年ぐらい前までは1ラック2KVAまでとされるデータセンターが多くありました。2KVAと言っても100Vで20A消費出来る訳でなく、80%から85%までしか使えません。
使うラック数を減らし利用料を抑えたい場合、たくさんのサーバーを1ラックに積むことになります。サーバーは待機時電力と最大負荷電力で大きな差があり、扱うソフトウエアなどにも影響されます。サーバーに張り付けてあるメーカーの表示電力に従うと僅かな台数しか、1ラックに搭載出来ません。正確にはクランプメーターでサーバーの消費電流を計測します。良く使われているIntel Xeon CPUが2つ搭載されているサーバーならば最大消費電力は250W前後であり1ラック2KVAの場合、サーバーを6台まで搭載出来るのです。
サーバーサイズを1Uに薄くして省電力なCPUを使い1ラック搭載台数を倍増とか、さらに小型サーバーを使い4倍密などもあります。
電源を強化すれば、さらに高密度にサーバーを設置出来ますが、今度は空調機の冷却容量が不足します。伝統的なデータセンターの場合、空調機の冷却容量がラックへの搭載限界を決めているのです。
データセンターの空調効率指標に「PUE」があります。サーバーに内蔵するファンは本来、冷却装置側に電力を積算しなければいけませんが、PUEでは簡略化して(サーバー電力+空調電力)/サーバー電力 としています。100Wのサーバーを冷却するのに100W使うと PUE=2.0 となり、5Wしか使わず冷却すれば PUE=1.05となります。
1ラックに8KVA搭載を許可する最新データセンターも増えてきました。床荷重制限を考慮しないといけませんが、250Wサーバー1Uサイズならば1ラックに27台搭載出来ます。ブレードサーバーなどでも3筐体搭載出来ます。
このような大電力を冷却するために空調構造も進化し、同時に空調機器省電力化も行いPUE=1.2前後のデータセンターも増えてきました。PUEが下がれば、電気使用料も安価になります。
本来、サーバーを使うための電力はともかく、空調電力は不要な負担です。この数年、電源装置の効率アップとともに、様々な方法で冷却効率が上がり、サーバー使用台数が増えても空調電力負担の少ないクラウド対応と言って良いデータセンターが増えて来ています。
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