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伝統的なデータセンターでは "場所を公開しない" "契約者以外に利用方法を説明しない" などセキュリティ対策を行っていますので、利用なさったことの無い方には、データセンターへの入退室方法をご存知無い方も多いと思います。今回は一般的なデータセンター入退室とサーバ設置でのラック電源容量についてコラムします。
データセンターの受付では、入場する契約者の本人確認を行い契約者以外が入場出来ないように確認するのが受付の役目になります。確認方法はデータセンター事業者により様々です。
契約ラック鍵は、契約者本人確認後、受付からリモートで開錠するか、受付で該当するラック鍵を受け取ります。
見学者と契約者の入場許可方法を分けているデータセンターもあれば、全く同じ手続きを行うデータセンターもあり、統一された入場方法はありません。
見学の場合は、データセンター担当者が付き添うのが普通です。前日登録、静脈認証登録を必須する場合もあります。
契約者の場合は、IDカードもしくはID番号と契約時の静脈認証や指紋認証など、2つ以上の認証で入場出来る場合が多いです。IDカード紛失もしくはID番号の忘却などで入場できない場合に、前日登録原則から入場出来ないデータセンターもあれば、従来の登録データを消去して初回時登録から手続きを行う場合もあります。
サーバーを預けていますので "緊急対応で入れてくれ!" と深夜にIDカードも持たずに受付扉をガンガン叩いて入場を要求したい場合も想定されます。通常手続きを飛ばすような要求の場合 "お断り" するのが信頼できるデータセンターです。しかし、このような場合でも、契約時に緊急時確認コールが出来るように契約責任者の電話番号を契約時登録し、緊急時深夜であってもIDカードを所持しない方を入場させるときにデータセンターから "コールバック" を登録順に行い確認出来れば入場させるなどと決めておけば対応出来ますので、緊急対応ポリシーも確認しておきます。
入場では常識的な内容になりますが、サインを求められる場合があります。
カメラについては、持ち込みも禁止している場合があります。最近の携帯電話やスマホにはカメラが搭載されていますので通常持ち込めません。メンテナンスなどで外部との連絡が必須な場合、電話をレンタルしてもらえるデータセンターなどもあります。
データセンターにサーバーを持ち込むルールもデータセンターにより違いますので、事前に契約書などで確認しておきます。
1ラックに何台のサーバーを設置出来るかは、ラック電源容量契約により変わります。1ラック2KVAから8KVAが伝統的なデータセンターでのラック電源容量になります。
サーバーには定格消費電力が記載されています。これは最大消費電力が記載されているのでハードディスクなどが少ない場合には消費電力が半分以下である場合が多く、1ラックに定格消費電力の合計以上にサーバを搭載できます。この時想定できるサーバー消費電力合計は、契約電力の60%以下が望ましい数値になります。
稼働時のサーバー電力は測定しにくい場合もあります。そのような場合はデータセンター側と協議します。測定せずにサーバーを増加してゆくと1台サーバを追加した時に電源容量を超えて、ラックごと電源が落ちる事故に遭遇します。
電源が落ちて再投入する場合、復旧(電源ブレーカをON)出来ない場合があります。3.5インチハードディスクを多く搭載しているサーバーが多い場合に発生します。このような場合サーバー電源を全てOFFにしないといけません。これは3.5インチハードディスクが起動瞬間電力が3倍であり、1台あたりの瞬間電力が30W必要なためです。それぞれのサーバを1秒間隔に順次、電源ONすることにより、この問題は回避出来ます。2.5インチハードディスクでは起動時3W以下であるので通常問題は発生しません。
次回は、「回線契約とサーバー性能」です。
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