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[IT研修]注目キーワード Python UiPath(RPA) 最新技術動向 Microsoft Azure Docker Kubernetes
前回は、クラウド環境の新しい流れについてお話させていただきました。このコラムのタイトルは、「仮想化の歴史と機能」ですが、まさに私たちは新しい仮想化の歴史の流れにいるのではないでしょうか。OpenStackやCloudStackなどのクラウド環境が今後のトレンドになっていくのは間違いありません。今からでも、準備をすすめていくことが重要なことだと思います。
では、まずはOpenStackについて取り上げていきたいと思います。インストールの前に、OpenStackの機能に構造と機能を見ていきたいと思います。なお、以下の文章は『Software Design 2013年3月号』の第1特集を参考にして作成しています。
OpenStack はいくつかのコアコンポーネントから構成されています。各コアコンポーネントの開発は個別に行われています。各コンポーネント間での連携するためにAPI が提供されていますが、WSGI(Web Service Gateway Interface)として実装されており、ミドルウェアとよばれるプログラムを介して連動するようになっています。では、さっそくコンポーネントを見ていきましょう。
OpenStack Compute(Nova)
ハイパーバイザーを制御する機能を提供します。VMware ESXi、Xen、KVMなどが利用可能です。
OpenStack Image Service(Glance)
仮想マシンが利用するイメージテンプレートとスナップショットを管理する機能を提供します。
OpenStack Object Storage(Swift)
オブジェクトストレージ機能を提供します。HTTP REST方式でファイルへのアクセスが可能です。Swiftのノードを並列に配置することによりスケールアウトして利用することもできます。CloudStackからも利用できるようです。
OpenStack Identity(Keystone)
統合認証基盤を提供します。ユーザ管理だけではなく、テナントやロールといった権限も管理できます。
OpenStack Dashboard(Horizon)
ユーザや管理者が利用するWeb UIを提供します。セルフサービスポータルとなっており、ユーザが決められた範囲で自由にリソースを活用することが可能です。
OpenStack Block Storage(Cinder)
ブロックストレージを制御します。仮想マシンが配置されるストレージとなります。iSCSI/NFSやその他分散ブロックストレージなども管理可能です。また、APIが提供されていれば商用ストレージなども利用できます。
OpenStack Network(Quantum)
仮想ネットワークを制御する機能を提供します。L2/L3スイッチの制御や、IPアドレスの管理など様々なネットワーク機能を制御できます。
以上がコンポーネントの役割となります。各コンポーネントが連携してクラウドサービスを提供することになります。単体のVMware vSphere環境との違いはいろいろとありますが、一番大きな違いは、OpenStack Network(Quantum)にあるのではないでしょうか。次回は、もう少しネットワークの部分を見ていきたいと思います。
なお、各コンポーネントの関係は以下の図を参考にしてください。
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