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第3回 仮想マシンにOSをインストールしよう (小塚大介) 2013年4月

 前回は仮想マシンを作成する方法についてお伝えしましたので、今回は仮想マシンにOSをインストールする方法についてお伝えします。

OSをインストールする前に

 Hyper-Vの扱いに慣れるという意味でも、OSをインストールする前に、もう一度仮想マシンのリソース設定を確認することをお勧めします。仮想マシンに割り当てる仮想CPUの数やメモリの量、ハードディスクのサイズは十分でしょうか? はじめは余裕をもってリソースを割り当てるように心がけることで、「うまく動かない」「遅い気がする」といった不安材料を減らすことができます。もちろん、慣れてくれば適切なリソースの割り当ての感覚がつかめることでしょう。
 ちなみに、仮想マシンに割り当てられる仮想CPUの最大数は、OSの種類によって異なりますので、こちらを確認しておくことにしましょう。
(サポートされるOSと仮想CPUの最大数に関する情報はこちら

※Windows Server 2003やWindows XPなどの古いOSの場合は、インストール後にCPUの数を変更すると問題が発生する場合があります。仮想化の場合、設定できる事と正しく動く事に違いがあるのも意識しておいた方が良いでしょう。

OSのインストールメディアを用意する

 OSのインストールにはインストールメディアが必要です。CDやDVDなどのインストールメディアの場合、ホストOSのDVDドライブ等を使ってインストールを行うこともできますし、ISOファイルを直接仮想マシンにマウントしてインストールを行うこともできます。マイクロソフト社のWebサイトからはWindows Server 2012の評価版をISO形式でダウンロードできます。
※Windows Server 2012の評価版ダウンロードはこちら

インストールメディアをマウントする

 物理マシンにDVDを挿入する作業の代わりに、Hyper-Vではインストールメディアのマウントという作業を行います。
 仮想マシンの設定画面を開きハードウェア一覧を見ると、[IDEコントローラー 1]の下に[DVDドライブ]が表示されています。これが仮想DVDドライブです。このDVDドライブをクリックすると、右ペインで[イメージ ファイル] を選択することができるので、用意しておいたISOファイルのパスを指定します。ホストOSのDVDドライブを使ってインストールする場合は [物理CD/DVDドライブ] を選択して利用するDVDドライブのドライブレターを選択して[OK]をクリックします。

fig01

 なお、この仮想マシンにメディアをマウントする方法は、OSインストール後にアプリケーションのインストールメディアをマウントする場合も同様です。また、仮想マシンに接続した際のコンソールからでも行うことができます。

OSをインストールする

 メディアのマウントが完了したらOSのインストールを開始しましょう。
 Hyper-Vマネージャで仮想マシンを右クリックして[接続]をクリックします。すると仮想マシン接続 という新しいウィンドウが表示されます。[操作]メニューで[起動]をクリックすると仮想マシンが起動し、マウントしたインストールメディアが読み込まれてOSのインストールが始まります。このあとのOSのインストールに必要な操作は物理マシンにインストールする場合と同じです。

fig02

fig03

OSのインストールが完了したら

 仮想マシンにインストールしたOSがWindows Server 2008 R2やWindows 7などの旧バージョンの場合は、統合サービスのインストールが必要です。仮想マシン接続ウィンドウの[操作]メニューから[統合サービス セットアップ ディスクの挿入]をクリックすると仮想マシンのDVDドライブにインストーラがマウントされますのでインストールを実行してください。(統合サービスのインストールが必要かどうかは、前述の仮想マシンでサポートされるOSについてのWEBページで確認してください)

fig04

fig05

 また、Linuxをインストールした場合は、別途Linux用の統合サービスをダウンロードしてインストールする必要があります。最新のLinuxにはHyper-V用の統合サービスが含まれていますが、常に最新の統合サービスのインストールを心がけましょう。なぜなら、これらの統合サービスには仮想マシン専用のドライバ等が含まれており、Hyper-V上で最適なパフォーマンスを発揮することができるからです。
※Linux用の統合サービスのダウンロードはこちら

仮想マシンの使い方は物理マシンとほとんど変わらない

 このように仮想マシンへOSをインストールする方法は特に難しいものではなく、物理マシンへOSをインストールする場合とほとんど変わらないことが理解できると思います。
 ハードウェアのリソースに余裕がある場合は複数の仮想マシンを同時に実行することもできますし、Hyper-Vは高い安定性を持ったハイパーバイザーなので本番用の環境を構築することもできます。古いサーバーで動作しているWindows環境をお持ちなら、仮想マシンに移行することで、仮想化によるサーバー統合が実現できるでしょう。

新しい事例が公開されました

 最後に日本マイクロソフト株式会社からHyper-Vを利用した新しい事例が公開されたのでお知らせします。
 http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/tdc.aspx
 この事例はWindows Server 2012のHyper-Vを利用してサーバー仮想化によるサーバー統合を行った事例ですが、WindowsだけではなくLinuxのサーバーも仮想化していることに注目です。Hyper-VはLinuxへの対応もしっかりと進めていますので、ぜひHyper-VでLinuxの仮想化にも挑戦してください。

 


 

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