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前回はWindows Server 2012上でHyper-Vを有効化する方法について取り上げました。第2回はHyper-V上に新しい仮想マシンを作成する方法と、限られたリソースの上で多くの仮想マシンを動かすための動的メモリという機能についてお伝えします。
Hyper-Vの誰にでも使ってもらえるようにしたいというコンセプトがダイレクトに伝わってくるツール、それがHyper-Vの標準管理ツール「Hyper-Vマネージャー」です。仮想マシンの作成など、Hyper-Vの管理や操作はHyper-Vマネージャーを利用します。Hyper-Vを使おうと思ったら、まずはスタートメニューなどからHyper-Vマネージャーを起動してください。
Hyper-Vマネージャーが起動すると、左側のペインには管理対象のサーバーが表示されています。デフォルトではローカルのサーバーのみ登録されており、一番上の[Hyper-Vマネージャー]を右クリックし[サーバーに接続]をクリックすることで、別のサーバーで実行されているHyper-Vを登録して、リモートで管理することが可能です。
中央のペインには、仮想マシンの一覧、仮想マシンごとのスナップショットの一覧、仮想マシンの状態が表示されています。右側のペインでは、上部にHyper-Vの操作メニュー、下部に仮想マシンの操作メニューが表示されます。
新しい仮想マシンを作成するには、右側のペインから[新規][仮想マシン]をクリックして仮想マシンの新規作成ウィザードを起動します。
まず最初にこのウィザードの説明が表示されますので[次へ]をクリックします。
これから作成する仮想マシンの名前と仮想マシンの情報を保存する場所を指定して[次へ]をクリックします。
仮想マシンに割り当てるメモリ量を指定して[次へ]をクリックします。
(中段のチェックボックスで指定できる動的メモリについては後述します)
接続するネットワークを選択して[次へ]をクリックします。
(後からでも変更可能です)
仮想マシンに認識させる仮想ハードディスクの名前や保存場所、サイズを指定して[次へ]をクリックします。
(後からでも変更可能です)
仮想マシンにOSをインストールさせるためにCDドライブやISOファイルをマウントする場合は指定して[次へ]をクリックします。
(後からでも変更可能です)
[完了]をクリックすると仮想マシンの作成が開始します。
仮想マシンを作成後、中央のペインで仮想マシンを右クリックして[設定]をクリックすると、仮想マシンの設定を変更することができます。
Hyper-Vは管理ツールのシンプルさとは対照的に非常に多くの機能が備わっています。今回は、その中から動的メモリについて詳しく取り上げます。
一般的に、多くのサーバー環境では搭載されているメモリをすべて使い切るケースは少なく、空き領域が発生しています。サーバーの仮想化を利用して1つのハードウェア上にサーバー環境を集約した場合、それぞれの仮想マシンが空き領域を抱えたままでは、トータルで多くのメモリ領域が未使用の状態になってしまいます。
そのため、Hyper-Vでは動的メモリという機能を提供して、メモリの無駄を極力削減し、少ないハードウェア上で多くの仮想マシンを稼働できるようになりました。
動的メモリの有効化は、前述の仮想マシンの新規作成ウィザードで指定するか(半自動)、仮想マシン作成後に、仮想マシンの設定画面で行います。後者では、より詳細な設定が可能です。
動的メモリを有効化している場合、仮想マシンの起動時に[スタートアップRAM]に設定された量のメモリが割り当てられますが、一定の時間経過後、動的メモリの機能により[最小RAM]と[最大RAM]に設定されている値の範囲で仮想マシンが必要とするだけのメモリが割り当てられるようになります。
また、仮想マシン上で実行しているアプリケーションが追加でメモリを必要とした際に備えて、動的メモリ機能では[メモリバッファー]に設定された割合で仮想マシンに空きメモリができるようにメモリを割り当てます。もしアプリケーションのメモリの使用量が大きく変動することが予想される場合、[メモリバッファー]の値を大きな値に変更します。
動的メモリ機能はとても魅力的な機能で、VDI環境の構築や検証環境を構築する場合に有用な機能ですが、SharePoint ServerやExchange Serverなど動的メモリをサポートしないアプリケーションも存在します。本番環境で動的メモリの利用を検討される場合は、仮想マシン上で実行するアプリケーションが動的メモリをサポートしているかをご確認いただくか、十分な検証の上ご利用ください。
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