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[IT研修]注目キーワード Python UiPath(RPA) 最新技術動向 Microsoft Azure Docker Kubernetes
こんにちは。加賀結衣(かが ゆい)と申します。
このコラムでは、株式会社リックテレコムの「Windows/Linuxのトラブル追跡実践ノウハウ」をもとに、私が実際にPCに触りながら学んだことをまとめていきます。
コラム内のページ表記は、この書籍のページを示します(Pはページです)。
日々発生するコンピュータのトラブルに対し、どのようなツールを使い、どのような情報を収集すればよいか知りたいと思われている初心者の方に、このコラムが少しでもお役に立てば嬉しいです。
前回は、第1章 1.3 の1.3.3「固定表現をブール演算子で組み合わせ検索クエリにしよう」まで学びました。
今回は、1.3.4の、「特殊構文でさらに絞り込む」から確認していきましょう。
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第1章 トラブルシューティングの考え方
1.3 サポートコミュニティ情報の検索(P.21)
(中略)
1.3.4 特殊構文でさらに絞り込む(P.31)
第2章 システムの基本情報の確認
2.1 Windows編
2.1.1 コマンドプロンプトについて(p.40)
2.1.2 コマンドプロンプトに上でシステム情報の確認をする(p.44)
2.1.3 GUI上でシステム情報の確認をする(p.46)
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1.3.4 特殊構文でさらに絞り込む(P.31)
ここまでは、ブール演算子やフレーズ検索、ワイルドカードなどについて確認してきましたが、Google検索ではより強力な情報の絞り込みをすることができます。
ここではその方法である、「特殊構文」を使用した、トラブルシューティングの現場における実践的な検索方法をご紹介します。
■期間の指定
トラブルシューティングの現場では、ある特定の現象が、高確率で起こることがあります。
この日のことを「特異日」と呼び、特異日に絞って検索することがトラブルシューティングに有効です。
例えば、検索クエリとして STOP:0x00000050 と入力し、検索結果(例えば、この執筆時点で71400件)を表示させた後に、右下に表示されている「検索ツール」をクリックし、さらにその下に表示される「期間指定なし」- 「期間指定」を順にクリックすると、検索クエリに関しての開始日と終了日を入力することができます。
例えば、開始日と終了日をそれぞれ「2016年7月18日」「2016年7月24日」とすると「2016年7月18日から2016年7月24日まで」の期間内の検索結果が表示できます。
■「site:」「inurl:」演算子の指定
トラブルシューティング時に、例えば、ハードウェアメーカーまたはソフトウェアがメーカーが提供している情報など、より信頼性の高い情報に絞って確認したい場合、「site:」や「inurl:」を利用することができます。
特定のサイト、例えば、マイクロソフト社の「microsoft.com」に掲載されているSTOP:0x00000050 に関する情報を検索したい場合、以下のように指定します。
site:microsoft.com "STOP:0x00000050"
なお、この場合、サブディレクトリも対象になりますが、例えば、「support.microsoft.com/kb/」のような、特定の単語を含むページを抽出したい場合には、「inurl:」を用いて以下のように指定する方が適切です。
inurl:support.microsoft.com/kb/ "STOP:0x00000050"
Goole検索の場合、除外を含むキーワードの先頭に「-」(マイナス)記号を指定することでNOT検索ができますので、inurl の前に「-」を付けて、例えば「-inurl:ameblo」とするとアメーバブログ(アメブロ)を検索対象外とすることができます。
例えば、先ほどの、STOP:0x00000050 に関する情報のうち、個人が配信するブログなどの情報を除外したいという場合、以下のように指定します。
STOP:0x00000050 -inurl:ameblo -inurl:blog.goo -inurl:blog.livedoor
■「filetype:」演算子の指定
「filetype:」演算子を利用すると、ファイル形式を指定することができます。
メーカーによって文書化されている情報のうち、技術標準やマニュアル、管理者ガイドといった、精査され公開されている文書は、PDF形式で公開されていることが多いといえます。
そこで、以下のように指定することで、PDF形式で公開されている文書に絞って検索することができます。
STOP:0x00000050 filetype:pdf
管理者ガイド filetype:pdf
なお、filetype演算子は、pdfの他、doc/docx(Microsoft Word:例、技術文書)、xls/xlsx(Microsoft Excel:例、統計データ)、ppt/pptx(Microsoft Powerpoint:例、セミナー資料)などを指定することも可能です。
また、前に「-」を付けて、例えば「-filetype:pdf」とするとpdfファイルを検索対象外とすることができます。
■サイバー空間における今の姿を知るリアルタイム検索
一般的なインターネット検索エンジンでは、リアルタイムの情報を表示していません。これは、通常、インタ^ネット検索エンジンでは、「クローラー」と呼ばれるプログラムがインターネット上を巡回し、収集した情報をデータベースに取り込みます(インデックス)。したがって、インデックスされた後の情報しか、検索結果に反映されません。
リアルタイムの情報を確認したい場合、例えば、Yahoo!Japanが提供するリアルタイム検索ではTwitterやFacebookの投稿を秒単位で検索結果に反映しています。
一斉配信されるセキュリティ更新プログラムなどの不具合や、オンラインサービスの不具合は、こういったSNSに投稿されることが多いため、リアルタイム検索を利用することで効率的に検索することができます。
■カスタム検索エンジンの作成
トラブルシューティングをしていると、有益な情報が特定のサイトに集中していることに気づくことがあります。一回の検索で複数の有益なサイトを検索できれば、より利便性が高まります。そんな要望をかなえる、Googleの「カスタム検索エンジン」を利用してみましょう。
以下のURLにて表示される、「カスタム検索エンジンの作成」ボタンをクリックしログインすると作成を開始することができます。
トラブルシューティングの中でも、特にコンピュータセキュリティに関しては複数サイトに散らばる情報を比較検討し、分析する作業が重要となりますが、この分野においては以下など、「カスタム検索エンジン」の機能を使った検索システムが複数公開されています。これらを参考に、自分が使いやすいインターネット検索システムを作り上げていくことも、効率的なトラブルシューティングにおいて重要です。
Malware Analysis Search
http://goo.gl/ANeZu
その他の情報については、P.38をご参照ください。
第2章 システムの基本情報の確認
2.1 Windows編
2.1.1 コマンドプロンプトについて(p.40)
■コマンドプロンプト(cmd)
Windows OSには、コマンドプロンプトと呼ばれるCUIツール(Command line User Interface)が用意されています。コマンドプロンプトは、Windowsキー+Rの操作で表示される[ファイル名を指定して実行]内の名前欄にcmdと入力してEnterキーを押すと表示されます。
あるいは、「スタート」-「プログラムとファイルの検索」-[cmd]と入力してEnterキーを押すことでも表示可能です。
2.1.2 コマンドプロンプトに上でシステム情報の確認をする(p.44)
■systeminfo
上記のコマンドプロンプトを用いて、systeminfo と入力しEnterキーを押すと、ホスト名やOS対象バージョン、ホットフィックスの適用状況など、マシンのシステム情報一式を取得することができます。
システム情報は、systeminfo > systeminfo.txt でテキストファイルに出力可能です。
また、システム情報は、以下の書式を利用すると、ローカルマシンだけでなく、ネットワークで接続しているリモートマシンからも情報取得できます。
systeminfo /s マシン名 [/u ユーザ名 [/p パスワード]
2.1.3 GUI上でシステム情報の確認をする(p.46)
■msinfo32
また、システム情報をGUI(Graphical User Interface)で表示したい場合はコマンドプロンプトを利用してmsinfo32と入力してみてください。
このツールについても、ローカルマシンだけでなくリモートマシンの情報を取得できます。
その場合、以下の書式を利用します。
msinfo32 /computer マシン名
表示された msinfo32のシステム情報は、[ファイル]-[エクスポート]で任意の場所にテキストファイルに出力可能です。
また、以下の書式を利用すると、msinfo32で表示される情報をコマンドでファイルに出力することもできます。
msinfo32 /nfo ファイルパス
なお、systeminfo32とmsinfo32の差異については、以下をご参照ください。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/magazine/ee835740.aspx
★「site:」「inurl:」演算子や「filetype:」演算子を指定することで、より効率的な検索ができる。
★Windows OSではコマンドプロンプトを利用して、システム情報等を確認することができる。
なお、顧客システムを十分に理解し、ネットワーク・サーバ(OS)分野における原因究明の仕方や切り分けなどを行う方法を基礎から学びたい方には、CTC教育サービスのオリジナルコースである「システムトラブルシュート(ファーストステップ)」がお勧めです。
詳細は、以下のリンクをご参照くださいませ。
http://www.school.ctc-g.co.jp/course/SSE01.html
最後まで読んでくださってどうもありがとうございました。次回もどうぞお楽しみに。
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