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今回のInst. Tech Viewでは、第8回でご紹介したCiscoデバイスのバックアップを掘り下げ、Cisco IOSの便利な機能についてご紹介を致します。ご紹介するのは、Cisco IOSがサポートするコンフィギュレーションの差分表示機能についてです。
Cisco IOSを使用しCiscoデバイスに付加機能を設定していくと、様々な設定コマンドがrunning-configの中に反映されます 。保存されたコンフィギュレーション(startup-config)からの変更が少なければ、変更された設定(差分)を把握するのは容易です。しかし、設定の追加や変更、削除が多い程、差分を認識する事は難しくなります。
そこで、Cisco IOSではContextual Configuration Diff Utilityを提供しています。本機能を使用することにより、コンフィギュレーションの比較を容易にします。
以降は、Cisco IOSがサポートするHTTPサービスを例に、コンフィギュレーション差分表示機能の出力をご紹介します。HTTPサービスはブラウザ越しにCiscoデバイスを管理するサービスを提供します。Ciscoデバイスではデフォルト有効のため、サービスを使用しない際に無効化することが推奨されます。
1. 現在のコンフィギュレーションをstartup-configに保存します。
Router#copy running-config startup-config
2. no ip http serverコマンドを実行します。下記の実行コマンドは、ルータのHTTPサービスを無効化するコマンドです。
Router(config)#no ip http server
3. show archive config incremental-diffsコマンドを実行し、出力を確認します。下記の実行コマンドは、running-configに保存されておらず、startup-configに保存されている増分コマンドのみを表示します。
Router#show archive config incremental-diffs nvram:startup-config
!List of Commands:
ip http server end
以上のように、ルータのHTTPサービスについて変更を行った情報(差分)が確認できます。
また、下記のようにrunning-config以外のファイルでも差分比較を行う事が可能です。
1. 現在のコンフィギュレーションをstartup-configに保存します。
Router#copy running-config startup-config
2. ルータのHTTPサービスを無効化します。
Router(config)#no ip http server
3. 現在のコンフィギュレーションを、ファイル名test.cfgでフラッシュメモリ内に保存します。
Router#copy running-config flash:test.cfg
Destination filename [test.cfg]?
1461 bytes copied in 0.776 secs (1883 bytes/sec)
4. show archive config differencesコマンドを実行します。下記の実行コマンドは、フラッシュメモリ内のtest.cfgから見て、NVRAM内のstartup-configとの差分を表示します。出力例の左に表示されている+は、test.cfgに保存されていないコマンドを表し、- は、test.cfgに保存されているがstartup-configに保存されていないコマンドを表します。
Router#show archive config differences flash:test.cfg nvram:startup-config
!Contextual Config Diffs:
+ip http server -no ip http server
以上のように、test.cfgではHTTPサービスは無効であり、startup-configではHTTPサービスが有効であるという情報(差分)が確認できます。 また、差分が無い場合は以下の出力を得ます。
Router#show archive config differences system:running-config flash:test.cfg
!Contextual Config Diffs:
!No changes were found
今回は、第8回 Ciscoデバイスのバックアップの応用としまして、Cisco IOSの便利な機能の一つであるコンフィギュレーションの差分表示機能についてご紹介を致しました。弊社教育サービスでは、今回ご紹介したコマンドのような現場でも使用されるノウハウも紹介しております。また、実機を用いた演習環境をご用意しておりますので、お客様が実際に検証を行う事も可能です。実践的な操作方法を学びながらCiscoデバイスの理解を深めたい、又は資格取得を目指したいという方は弊社教育サービスのご受講をご検討ください。
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