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前回はクラウド基盤ソフトウェアであるCloudStackについて紹介してきました。今回はCloudStackよりさらに下のレイヤーでクラウドを支えるハイパーバイザー、Citrix XenServerについて触れていきます。
サーバー仮想化は、今や多くの企業で当たり前に導入される存在になりましたが、サーバー仮想化の黎明期に大きな注目を集めたオープンソースのハイパーバイザーとしてXenがあります。
Xenの開発はケンブリッジ大学の研究プロジェクトとして始まりました。開発コミュニティであるXen.orgで開発が進む一方、ケンブリッジ大学の研究プロジェクトのメンバーがXenSource社として起業し商用版の提供を行っていました。
2007年にはCitrixがXenSoruce社を買収し現在はオープンソースのXenにさまざまな管理機能を追加した商用版を『Citrix XenServer』という名前で提供しています。
XenとCitrix XenServerの関係は、単にOSS版と商用版というわけではありません。XenとCitrix XenServerの関係はよく、「自動車のエンジン」と「完成品の自動車」の関係に例えられます。Xenそのものは仮想化を行う中核となるソフトウェアですが、実際にシステムとして稼働するにはLinuxなどのOSと組み合わせ、機能を借りて動作することになります。Citrix XenServerは、オープンソースのXenをベースに、システムとして稼働する際に必要なLinuxや、独自の管理ツールを追加し、商用製品としてパッケージングしたものです。
ここ数年は大きなシェアを持つVMware vSphereや、急激にシェアを伸ばすMicrosoftのHyper-V、Linuxディストリビューターから支持されるKVMなど、多くの競合製品が登場し注目を集めています。企業内での利用や個人ユーザーの間でこうしたハイパーバイザーの利用が広がる一方、XenおよびCitrix XenServerは多くのクラウド事業者で利用されるハイパーバイザーとなっています。
たとえば、Gartner IaaS Magic Quadrantで取り上げられた主要なIaaSプロバイダ15社だけで見ても、Amazon Web Services、Rackspace、SoftLayer、GoGrid、富士通のクラウドサービスでXenあるいはCitrix XenServerが採用されています。他にも日本国内ではSCSKのnetXCloudや楽天グループの通信事業会社であるフュージョン・コミュニケーションズのFusion Cloud、北海道大学のアカデミッククラウドなどでCitrix XenServerが採用されています。
クラウド環境のハイパーバイザーとしてCitrix XenServerが選ばれる理由としては、コストパフォーマンスに優れ、ソースコードも公開されていることから内部動作の把握がしやすい点などが挙げられています。
[関連情報]Citrix XenServer お客様事例
またCitrix XenServerはデスクトップ仮想丘ソリューションであるCitrix XenDesktopとバンドルする形でも提供されており、多くのデスクトップ仮想化環境の基盤としても採用されています。(※Citrix XenDesktopはHyper-VとvSphereも基盤として利用可能です)
クラウドにおいて多くの実績を持つCitrix XenServerですが、自宅で気軽に試せる無償版があります。しかも、無償版でありながら、GUIの管理ツールであるXenCenterで複数ホストの統合管理を行ったり、ライブマイグレーションを実行したりすることができます。XenCenterのインターフェースは、日本語にも対応しています。
XenServerの無償版は、下記のページからダウンロードできます。
Do-it-yourselfの中にある"Start a free XenServer trial"をクリックすると、XenServer無償版およびQuick Installation Guideのダウンロードページに移動します。
なお、Quick Install Guideにしたがって構築を進めると、管理端末にXenCenter英語版をインストールする手順になっていますが、XenCenterは日本語版も用意されています。
日本語版を使用したい場合は、Citrixのサイト(http://www.citrix.com)にアカウントを登する必要があります。
登録した自身のアカウントでMy Accountにログインすると、サイトの[Download]メニューからソフトウェアのダウンロードが可能になります。
プルダウンメニューから[XenServer]の[Product Software]を開き、使用するバージョンをクリックします。コンポーネントの一覧が表示されたら、Japanese VersionのXenCenterをダウンロードします。
XenServerの無償版ライセンスについては、XenCenterのライセンスマネージャからライセンスファイル発行画面に進むことができます。ライセンスファイルは1年間有効なものが発行されますので、長期間使用する場合には1年ごとに再度発行を行ってください。
ハイパーバイザーは、サーバー仮想化だけでなく、クラウド環境やデスクトップ仮想化環境を構築する上でも必要となってくるコンポーネントです。クラウド事業者と同等のハイパーバイザーが試せるXenServerは、大規模環境だけでなく、小規模なラボ環境でも非常に便利なツールですので、ぜひ試してみてください。
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