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第3回 仮想マシンの基礎知識 (1) ~仮想マシン作成編~ (武田正樹) 2015年6月

本コラムはコラム「今からはじめる Microsoft Azure」にて、2020年補足版を公開しております。

今からはじめる Microsoft Azure - 第7回 仮想マシンの基礎知識

 今回のコラムでは、Microsoft Azure IaaSのコンピューティングサービス「仮想マシン」の作成に関する基本情報をご紹介します。

 前回ご紹介したコラムをご覧いただくと本コラムの理解が深まりますので、事前にご一読いただけると幸いです。

高可用性が考慮された仮想マシン

 Azure の仮想マシンは、仮想マシンを含めたいくつかのサービスの組み合わせで構成されています。図1はAzure 管理ポータル(https://portal.azure.com) で仮想マシンを作成した時の構成図になります。

fig01

 図1 仮想マシンの構成図

 前回のコラムコラムで紹介した可用性セットで別々のラックに配置されるサーバーを仮想マシンとして使用し、地理冗長可能なストレージに仮想マシンの VHD イメージを配置しています。つまり、仮想マシンを作成するだけで、サーバー、ストレージ共に高い可用性が得られるようになっています。

 仮想マシンのIPアドレスは、インターネット経由でアクセス可能なパブリックIPアドレスとイントラネット経由でアクセス可能なプライベートIPアドレスの2種類が割り当てられます。

 パブリックIPアドレスはクラウドサービス、プライベートIPアドレスは仮想ネットワークの機能を利用しています。

仮想マシンの作成

 早速、Windows Server 2012 R2の仮想マシンを作成して、先ほど説明した通りの仮想マシン構成になっていることを確認しましょう。

 1) https://portal.azure.comにログインし、画面左上の[新規]をクリックします。

fig02

 2) 仮想マシンのVHDイメージとなるテンプレートを選択します。[コンピューティング]-[Windows Server 2012 R2 Datacenter] の順にクリックします。

fig03

 3) 仮想マシンの[ホスト名]とリモート接続するための[ユーザー名],[パスワード]を入力します。また、仮想マシンを作成するデータセンターの場所を [西日本] に変更します。

 今回はサーバーのスペックはデフォルトのD1インスタンス(CPU 1コア、メモリ3.5GB)にし、最後に[作成]をクリックします。

fig04

 4) 数分後に仮想マシンの作成が完了します。管理ポータルのスタート画面にピン止めされたアイコンをクリックすると仮想マシンの情報が表示されます。

 仮想マシンがCPU 1コア、メモリ3.5GBで動いていて、パブリックIPアドレスとプライベートIPアドレスがそれぞれ割り当てられていることが確認できます。

fig05

 5) [すべての設定]-[ディスク]の順にクリックすると仮想マシンのVHDファイルについての情報が得られます。

 今回作成した仮想マシンのOSイメージはストレージ「win2012r2gmnsv156」に「win2012r2-35gg4ygp-win2012r2-os-1433155612866.vhd」というファイル名で格納されていることが確認できます。

fig06

 今回作成した仮想マシンの構成を図1の構成図にあてはめると以下のようになります。ちゃんと構成図の通りになっていることがご理解いただけたかと思います。

fig07

 図2 仮想マシンの構成例

仮想マシンのVHDイメージの選択方法

 仮想マシンの魅力は、VHDイメージやサーバースペックを自由に選択できることにあります。まずは、VHDイメージの選択方法からご紹介します。

 Azureの仮想マシンでは、以下の2つの方法でVHDイメージを選択することができます。

  • Market PlaceでAzureのテンプレートとして用意されているVHDイメージ
  • 独自に作成したVHDイメージ

 本コラムでは、Market Place経由でのCent OS 7.0 のVHDイメージを利用して仮想マシンを作成する方法をご紹介します。

 1) https://portal.azure.comにログインし、画面左上の[新規]をクリックします。

 そして、[コンピューティング]をクリックし、画面下にある[AzureMarket Place]をクリックします。

fig08

 2) 「Market Place」が表示されます。[仮想マシン]をクリックすると、仮想マシンのVHDイメージカタログが表示されます。

 [さらに表示]をクリックすると全てのVHDイメージが表示されますが、今回は[CentOS-based7.0]をクリックします。

fig09

 3) CentOSのVHDイメージがOpenLogic社製の旨が表示されますので[作成]をクリックします。

 先ほどのWindowsServerと同じ仮想マシンの作成画面が表示されますので、先ほどのように入力して[作成]をクリックすると数分で仮想マシンの作成が完了します。

fig10

 Market Place経由での仮想マシンの作成方法を通じて、Azure仮想マシンがWindowsServerだけでなくLinuxもサポートしていることがご理解いただけたかと思います。

 なお、大量に動いているAzure 上の仮想マシンの2割はLinux です。Linux がAzureで動くというレベルではなく、使えるというレベルにあることも合わせてご理解いただけると幸いです。

仮想マシンのサーバースペックの選択方法

 仮想マシンの作成時に「価格レベル」をクリックすると、様々なサーバースペックが用意されていることがわかります。

fig11

 2015年6月2日現在、日本のデータセンターではGシリーズを除く下記のシリーズが利用可能です。

  東日本リージョン 西日本リージョン
基本 A0-A4
標準 A0-A7
A8-A11  
D1-D4
D11-D14
DS1-DS4  
DS11-DS14  
  • Aシリーズ:標準プラン。負荷分散・自動スケーリング無し、IOPSが300の制限がかかった基本プランもあります。InfiniBandサポートのA8,A9、コンピューティング集中型の A10, A11も提供
  • Dシリーズ:Aシリーズよりも高性能なCPU、一時ディスクをSSD化
  • DSシリーズ:DシリーズのストレージがSSD化

 シリーズごとのサーバースペックと価格についてはこちらにまとまっていますのでご確認ください。

 http://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/virtual-machines/

まとめ

 いかがでしょうか?仮想マシンの作成を通じて、仮想マシンの構造や様々なVHDイメージテンプレートやサーバースペックが用意されている事をご理解いただけたかと思います。

 次回は作成した仮想マシンの設定方法やリモート接続方法についてご紹介します。

 


 

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