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今回はストレージ関連のコンポーネントを見ていくことにしたいと思います。一番の注目は、なんといってもOpenStack Object Storage(Swift)ではないでしょうか。Openstackのみだけではなく、CloudStackやHadoopなどでも利用することができるコンポーネントとなります。
OpenStack Object Storage(Swift)は、オブジェクトストレージの機能を提供します。オブジェクトストレージというと少し聞きなれない言葉かもしれませんが、Amazon S3に相当する機能ということになります。比較的大きなファイルをhttpプロトコルでやり取りすることができ、ストレージの保存先は自動的に冗長化される仕組みとなっています。自己修復機能などもあり、安全にファイルを扱うことができます。SwiftはNovaが利用する仮想マシンイメージの保存策として利用されます。仮想マシンのイメージはオブジェクトとして扱われ、NovaとSwitfの間でhttpで内容がやりとりされることになります。
容量や性能などはサービスを提供するサーバを増やすことによって強化することが可能です。追加するサーバは、安価なサーバでも問題ありません。搭載するストレージも、SATAの2TBや4TBといったパソコン用のものでも十分機能します。このようなハードウェアを利用して、そこそこのパフォーマンスを発揮するのではないでしょうか。ファイルは各サーバに分散されるので単一障害でサービスが止まることはありません。実際に大規模なサービスでも利用されておりすでに1ペタバイトなどの利用実績もあるようです。
SwiftはOpenStackの一部ではありますが、ビッグデータを利用するためのストレージ基盤として、Hadoopと組み合わせても利用することが可能です。大きなファイルを扱う機能に優れていますので、ビッグデータとも相性はいいのではないでしょうか。一方、ファイルはファイル単位でアクセスされますので、ファイルサーバなどに利用できそうですが、Windowsなどのクライアントからは、アクセスするためのドライバーなどが提供されていません。また、ブロック単位でのアクセスができないためデータベースサーバなどのデータストアとしても利用することはむつかしいのではないでしょうか。
一方、Webサービスとは親和性が高いと言えますので、Webサービスの写真や動画などのアップロード先とのストレージとしても利用することができます。また、Hadoopと組み合わせてログの解析処理などの用途も考えられます。
Cinder は仮想マシンにたいして、ブロックストレージを提供します。具体的には、仮想マシンのストレージ機能を提供することになります。ボリュームの作成、作成などの機能を提供しますが、ボリュームの実態は、Linux LVM、iSCSI、NFSなどのストレージ上、または、商用ストレージの上に展開されることになります。もともと、CinderはNovaである仮想マシンの機能の一部として提供されていましたが、最近になりNovaから切り離されてブロックデバイスストレージ専用のサービスとして利用されるようになりました。
作成されたストレージは、Nova上の仮想マシンに接続され仮想マシンからは単なる内蔵ハードディスクとして認識されます。また、仮想マシンのストレージのスナップショットを取得したり、スナップショットからボリュームを作成したりする機能もCinderで提供されています。また、その他のOpenStackの機能と同様に、商用ストレージを利用することも可能です。NetAppなどのドライバーが提供されており高性能なストレージを利用することもできます。
Glance は、仮想マシンイメージテンプレートを管理するためのサービスです。仮想マシンのスナップショットなどの保存先にもなります。こちらも、Novaと連携して動作することになります。ISOをはじめ各種仮想マシンのイメージを登録して管理することが可能です。また、OVFやAKIなどのコンテナ形式を登録して、仮想マシンを展開することもできます。
OpenStack ではいろいろな機能ごとにモジュールが分かれて提供されています。特にストレージ部分については、オブジェクト、ブロック、テンプレートと3つに分かれることになります。オブジェクトストレージであるSwiftなどは安価なハードを利用して構成することが可能です。一方、仮想マシンが直せつ利用するブロックストレージであるCinderなどはドライバーの提供によりNetAppなどを利用して、高速かすることができます。テンプレートなどのイメージを扱う Glanceは名前のとおりサービスとして利用することができます。今後、ストレージがOpenStack上で統合的に管理されるようになれば、やはり管理面ではかなりメリットが出てくるのではないでしょうか。
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