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第17回 クラウド環境次の一手(OpenStack編 その2) (志茂吉建) 2013年5月

OpenStack Compute(Nova)

 OpenStack Compute(Noav)は、XenやKVMなどだけではなく、VMware vSphere ESXiを利用することができます。ハイパーバイザーを使い分けることはどのようなメリットがあるのでしょうか。

 XenやKVMはオープンソースのものを利用することも可能です。VMware vSphere ESXiとオープンソースのXenやKVMと組み合わせることにより、コンピュータリソースを分けて利用することができます。重要な業務アプリケーション を実行するサーバは、VMware vSphere ESXiで実行、テスト用や開発用のリソースについては、XenやKVMを利用するといった使い方が可能となります。

 Xen やKVMも商用製品がありますので、オープンソースのものと製品版のものを組み合わせて使うことも可能となります。利用目的に応じて、リソースを同じイン ターフェイス上から使い分けることができるのがOpenStackの特徴といえるのではないでしょうか。そのほかにも、OpenVZ、LXCなどの多彩なハイパーバイザーを利用することも可能です。Webサーバなどのライトなものであれば、OpenVZやLXCなどでも十分なケースもあると思います。また、MySQLなどのデータベースを利用する場合は、Xenを利用するといった組み合わせも可能となります。

 また、今後のリリースでは、物理マシンによるプロビジョニングなども可能になるようです。そうなると、物理マシン、仮想マシンの区別なくコンピュータリソースを統合的に管理することができるようになります。物理マシンでもストレージは、その他のコンポーネントが提供する機能を利用することができるようになることでしょう。ネットワークも同じく、Quantumから利用できることになります。

 繰り返しになりますが、OpenStackでは、物理マシンを含め、いろいろな種類のハイパーバイザーを利用することが可能ですので、管理面だけではなくコスト面でもいろいろとメリットが出てくるのではないでしょうか。

OpenStack Network(Quantum)

 OpenStack のNetworkd機能は、Quantumとも呼ばれています。OpenStack Compute(Nova)がコンピュータリソースを提供するのにたいして、Quantumはネットワークリソースを提供します。Network as a Service(NaaS)ともいえるものになるのではないでしょうか。複数のプライベートなネットワークを管理することができます。また、IPアドレスなどの制御を行うことも可能です。NovaはVLANとLinuxのiptablesでネットワークを制御するのに対して、Quantumは、Software Defined Network(以下SDN)やOpenFlowなどのネットワーク、ドライバーが提供されるベンダーのネットワーク機器などをコントロールすることができます。

ネットワークの機能を提供

 物理、仮想を問わずネットワークに必要な機能はいろいろありまが、代表的なものは以下の通りです。

  • L2スイッチ
  • ルータ
  • Firewall
  • ロードバランサー
  • IPアドレス管理
  • DHCPサーバ

 Novaではこれらの機能を提供します。L2スイッチは物理なスイッチを利用してVLANを設定し仮想化します。
 OpenStack対応のドライバーが提供されていれば、OpenStack Dashboardから設定することが可能となります。ルータやFirewallなどはSDNを利用して仮想マシン上に実装することも可能です。OpenFlow対応のスイッチを利用すればさらに柔軟に設定することが可能です。OpenStackからコントロールしなければ、毎回個別にL2やSDNなどを設定する必要があります。実際に作業をされた方はわかると思いますが、個別にログインして作業をする必要がありかなり面倒な作業となります。基本的な設定さえできていれば、OpenStack Dashboardからオペレーションを行い設定することが可能となります。

 また、通常のネットワークであればIPアドレスの管理はユーザが個別に行う必要があり、システムは基本的に感知しません。OpenStack NetworkではIPアドレスも管理対象にすることができるので非常に便利です。同様にDHCPサーバなども提供してくれます。

 Quantumを利用して設定できれば今までいろいろと大変だったネットワーク設定が一手に行えるようになります。かなり便利になりますね。

まとめ

 VMware vSphere環境では主に仮想マシンの管理に重点をおいてシステムが提供されていましたが、OpenStackでは、仮想マシンだけではなく、ネットワークも仮想的に管理できる機能が提供されています。管理者は、機器個別に設定を行う必要はなくかなり便利に使えるようになったのではないでしょうか。OpenStackには、前回お話したとおりこれ以外にも重要な機能であるストレージ機能も分離して提供います。次回は、ストレージの能についてすこし詳しく見ていきたいと思います。

 


 

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