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仮想化の歴史と機能

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第4回 ストレージ仮想化 RAIDとは (志茂吉建) 2012年9月

ストレージの重要性

 いうまでもありませんが、コンピュータを利用する上でストレージは重要な要素です。データがなければコンピュータはただの箱でしかありません。現在では、ワープロや表計算のデータだけではなく、写真、音楽、動画などのマルチメディアデータが爆発的に増えてきて、日々保存されています。2010年のIDCの予測では、2020年には世界で作成されるデータ量は35ゼタバイトに達するとされています。1ゼタバイトは10の21乗バイトです。ちなみに1TBは10の12乗バイトとなります。1TBのディスクで換算すると10億本分ということになりますね。

RAIDとは

 実際に2020年にはもっと技術が進み集積度があがり、ディスク本数はもっと減ってくると思いますが、壊れないHDDが提供されるということはないと思います。RAIDとはRedundant Array of Independent Diskの略でディスクの冗長性を提供しています。複数のディスクで構成され一本のディスクが壊れてもデータを保護する機能を持っているディスク装置をRAIDディスクと呼んでいます。皆さんもミラーリングやホットスペアといった用語はお聞きになったことがあるのではないでしょうか。RAIDは1980年代後半に理論後形成され、1990年代初頭から実用化されてきました。冗長性、パフォーマンス、コストのトレードオフでRAID 0から5までが定義されています。最近では、RAID 6などより冗長性の高いものが提供されたり、キャッシュとハードウェア処理機能を強化したアレイコントローラなども提供されています。

ストレージの仮想化

 RAIDは複数のHDDをまとめて利用するための機能でストレージ仮想化の機能といえます。複数のHDDをまとめて冗長性を持たせることが出来ます。また、RAID機能をさらに拡張したストレージハードウェアやソフトウェアを利用すると、仮想的に実際の容量以上に使えるようにOSに見せるシン・プロビジョニングという機能などもあります。一つのストレージを複数に小分けして、複数サーバ用にOS起動ディスクとして利用するのにも便利な機能です。

ストレージの高機能化

 仮想化機能に加えて、自動バックアップ機能や重複排他機能なども最近のストレージには搭載され高機能化しています。オフィス文書などでは同じようなフォームを利用するケースがあると思いますが、データとしてみた場合似通ったデータとなっています。同じようなデータが複数合った場合に重複排他機能は有効です。また、自動バックアップ機能なども併せて利用するとファイルが消えてしまったといったこともなくなります。また、最近では、災害対策なども考慮され、遠隔地に自動的にバックアップする機能なども提供するストレージもあります。ストレージの機能を上手く利用することで、ビジネスの継続性を高めることが出来るのではないでしょうか。

クラウドストレージの利用

 最初にお話ししたIDCのレポートには、今後はクラウド上のストレージも利用の促進が進む旨の内容が記載されています。現状でも、DropboxやGoogle Driveなどクラウド上のストレージを利用している方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、2012年現在、企業向けのクラウドストレージサービスは始まったばかりで、これから成長が期待される分野です。クラウドになると自社のデータセンターの設備が必要ないだけではなく、バックアップなどの日々の運用から解放されるようになると思います。RAIDが壊れたのでHDD交換などという作業は一切行う必要はありません。しかし、そのような時代になってもストレージの仕組みをしっかり理解することはエンジニアに求められる知識の一つではないでしょうか。

まとめ

 あまり詳しくはありませんでしたが、ストレージの仮想化について概観してきました。基本的な機能をよく理解してストレージの仮想化機能を上手く利用することが出来れば、インフラ運用作業は色々と軽減できることがあると思います。皆さんも、この機会にストレージについてもう一度調べてみてはいかがでしょうか?

 


 

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