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みなさん、こんにちは。
前回までは、Pythonライブラリの中で、ネットワーク機器を操作するsubprocess、telnetlib、netmiko、NAPALMについて説明してきました。これらのライブラリはネットワーク機器とのコミュニケーションを効率的に行うためのライブラリで、それぞれが異なる機能や特徴を持っています。
さて今回からは、Excelファイルを操作できるOpenPyXLライブラリについて説明します。OpenPyXLはPythonからExcelを直接操作でき、データ分析、自動レポート生成、データのバッチ処理など、多様なシナリオで活用できます。ネットワークエンジニアにとっても、ネットワーク機器の設定をまとめたり、そこからデータを取り込んだり、運用報告書を作成するなど、Pythonスクリプトを使ってExcelファイルの作成を自動化する際に、このライブラリは非常に便利です。
OpenPyXLは、Excel 2007以降のファイル形式に対応した、Pythonライブラリです。このライブラリを使用することで、Pythonスクリプトから直接、Excelファイルを操作することが可能になります。Excel 2007のリリースによって導入されたMicrosoft Office Open XML (OOXML) 形式は、従来のバイナリ形式の.xlsファイルに代わる新しいファイル形式であり、.xlsx(スタンダードなスプレッドシート)、.xlsm(マクロを含むスプレッドシート)、.xltx(テンプレート)、.xltm(マクロを含むテンプレート)などが含まれます。XMLをベースにデータを格納するため、ファイルサイズが小さく、データの抽出やファイルの再構築が容易になるという利点があります。また、Excelだけでなく、他のMicrosoft Office製品でも採用されているため、文書、プレゼンテーション、スプレッドシート間の相互運用性とデータアクセス性が大幅に向上しています。
OpenPyXLを利用するメリットは以下の通りです。
OpenPyXLの主な機能は、Excelの基本操作を幅広くサポートしています。
OpenPyXLは、データ分析、自動化プロセス、複雑なデータ操作を必要とする業務において、便利に活用されています。
それでは、OpenPyXLライブラリの基本的な使い方を紹介しましょう。OpenPyXLを使用するためにはインストールが必要です。インストールして、Excelファイルの読み込み、書き込み、新規作成の基本的な手順を見ていきましょう。
OpenPyXLもサードパーティ製ライブラリなので、これまでと同様にpipを使用してインストールします。以下のコマンドを実行します。「openpyxl」はすべて小文字です。
$ pip install openpyxl
新しいExcelファイルを作成し、最初のシートにいくつかのデータを追加した後、指定したファイル名で保存する方法です。
from openpyxl import Workbook
# ワークブックを新規作成します。ワークブックはExcelファイルに相当します。
wb = Workbook()
# アクティブなワークシートを取得します。ワークシートはExcelのタブに相当します。
ws = wb.active
# セルに値を設定します。ここではA1に"Hello"、B1に"world!"という文字列を格納しています。
ws[’A1’] = "Hello"
ws[’B1’] = "World!"
# ファイルを保存します。この例では、"sample.xlsx"という名前のファイルが作成されます。
wb.save("sample.xlsx")
既存のExcelファイルを開き、新しいデータを追加して再び保存する方法です。
from openpyxl import load_workbook
# 既存のファイルを開きます。ここでは"sample.xlsx"というファイルを読み込んでいます。
wb = load_workbook(’sample.xlsx’)
# アクティブなワークシートを取得します。
ws = wb.active
# セルに値を追加します。A2セルに"Hello again"という文字列を追加しています。
ws[’A2’] = "Hello again"
# ファイルを上書き保存します。
wb.save(’sample.xlsx’)
指定されたセルのデータを読み取り、その値を表示する方法です。これは、Excelファイルからの情報抽出やデータ分析など、さまざまなアプリケーションでよく使われます。
from openpyxl import load_workbook
# 既存のファイルを開きます。
wb = load_workbook(’sample.xlsx’)
# アクティブなワークシートを取得します。
ws = wb.active
# A1セルの値を読み取ります。
a1 = ws[’A1’].value
# B1セルの値を読み取ります。
b1 = ws[’B1’].value
print(a1, b1) # Hello World!
今回は、Excelファイルを扱うためのOpenPyXLライブラリについて、基本的な操作を見てきました。手始めに、新しいExcelファイルの作り方、既にあるファイルへのちょっとした追記、そしてデータを読み取る方法を紹介しました。データ分析やレポート作成を簡単に進めたい時に役立つでしょう。
次回は、OpenPyXLのもう少し踏み込んだ使い方に目を向けてみましょう。より高度なExcel操作や、データ処理やレポート作成の自動化の方法などを紹介します。それでは、次回もお楽しみに。
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