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第13回　Pythonの基本（8）ライブラリの導入 (小澤昌樹) 2023年8月

1. はじめに

みなさん、こんにちは。前回までに、Pythonの基本であるデータ型や制御構文について説明し、制御構文を使った簡単なプログラムも作成しました。これらの基本的な知識を身につけることで、より複雑なプログラムを作成することができるようになります。ぜひ復習してみてください。

さて、Pythonには豊富なライブラリが用意されており、それらを使用することでより高度なプログラムを簡単に作成することができます。ライブラリは再利用可能なコードの集合体であるため、同じような処理を何度も書く必要がなくなり、コードの再利用性が高くなります。Pythonには、標準ライブラリと呼ばれるPython本体に含まれているライブラリと、サードパーティ製ライブラリと呼ばれる新たにインストールすることで使えるようになるライブラリがあります。今回は、Pythonライブラリの導入方法について解説します。

2. Pythonのライブラリ

Pythonのライブラリには、Python本体に含まれている標準ライブラリと、新たにインストールすることで使えるようになるサードパーティ製ライブラリがあります。例えば、数学関数を使用したい場合は、mathというライブラリをインポートすれば数学関数を使用できます。NumPyというライブラリは科学計算を行うために用いられるライブラリで、高速な処理が可能です。そのほかに、日付、時刻、正規表現、データ解析など、様々な分野に特化したライブラリがあります。
標準ライブラリはPythonの重要な構成要素です。例えば、システムパラメータに関する機能を提供するsysライブラリ、数学に関する関数を提供するmathライブラリ、乱数生成に使用するrandomライブラリ、外部コマンドを実行するために使用するsubprocessライブラリなど、実用的なモジュールが含まれています。
一方、サードパーティ製ライブラリは、Pythonの機能を拡張するための外部モジュールです。例えば、日時計算に便利なdateutilライブラリや、数値計算を効率的に行うことができるNumPyライブラリなどが存在しています。これらのライブラリは、Pythonの機能を拡張するための基盤であり、必要に応じて使い分けることで、開発の幅を広げることができます。
Pythonのライブラリは数多く存在しますが、目的に適したライブラリを見つけるためには、PyPI（The Python Package Index）といったPython言語向けのパッケージ管理サービスを利用するか、インターネットで関連する単語を検索しましょう。PyPIにアクセスし、関連する単語を入力すると、目的に合ったライブラリを見つけることができます。また、多くの人が利用するPythonライブラリは、通常、個人のウェブサイトやブログで広く紹介されています。検索エンジンを使い「Pythonライブラリおすすめ」というキーワードで検索すれば、多くのサイトがヒットするでしょう。

3. ライブラリの導入

標準ライブラリはPython本体に含まれているため、改めてインストールする必要なく使用することができます。一方、サードパーティ製ライブラリは、pipコマンドを使用して実行環境にインストールする必要があります。pipは、Pythonの標準パッケージ管理システムで、Pythonライブラリを管理するためのユーティリティツールです。ライブラリの検索、インストール、アンインストール、アップグレードなどを行うことができます。
pipでパッケージをインストールする場合は、「pip install （パッケージ名）」のようにコマンドを実行します。例えば、サードパーティ製ライブラリであるNAPALMライブラリをインストールするには、次のようにします。


$ pip install napalm

実行環境に複数のPythonバージョンがインストールされている場合は、Pythonを起動する「python3.10」といったコマンドに -m オプションを指定して、pipを実行するとよいでしょう。-mは、その後に与えられるPythonモジュールを実行するときに使用するオプションです。例えば、次のように実行します。


$ python3.10 -m pip install napalm

ちなみに、pipで管理されているPythonパッケージは、「pip list」のようなコマンドを実行すれば参照することができます。


$ python3.10 -m pip list
Package           	Version
----------------------------
autopep8          	2.0.1
bcrypt            	4.0.0
certifi           	2022.6.15.2
cffi              	1.15.1
charset-normalizer	2.1.1
...

4. ライブラリの更新、削除

標準ライブラリやサードパーティ製ライブラリは、日々アップデートされているため、実行環境にインストールされているライブラリが古いバージョンのままである場合があります。そのような場合には、ライブラリを更新する必要があります。ライブラリを更新するには、pipコマンドのupgradeオプションを使用します。例えば、napalmというライブラリを最新版にアップデートするには、次のようなコマンドを実行します。


$ python3.10 -m pip install --upgrade napalm

また、使用しなくなったライブラリを実行環境から削除（アンインストール）するには「pip uninstall」コマンドを使用します。例えば、netmikoというライブラリを削除するには、次のようにコマンドを実行します。


$ python3.10 -m pip uninstall netmiko

5. まとめ

今回は、Pythonのライブラリの導入、更新、削除について説明しました。標準ライブラリはPython本体に含まれているため、改めてインストールする必要はありません。しかし、サードパーティ製のライブラリを使用する場合は、pipコマンドを使用して実行環境にインストールする必要があります。今回説明した内容を参考にして、試してみてください。
次回は、Pythonライブラリを実際に使用する方法について説明します。ライブラリを使用するためには、プログラムにインポートする必要があります。その方法について説明し、実際にライブラリを使ったプログラムを作成してみます。よろしくお願いします。