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第6回 高可用性を持つMicrosoft Azureのグローバルインフラストラクチャ (小澤昌樹) 2020年6月

本コラムは過去コラム「なるほど、Microsoft Azure」の2020年補足版です。

なるほど、Microsoft Azure - 第2回 高い可用性を持つMicrosoft Azure IaaSのデータセンターについて

1. はじめに

みなさん、こんにちは。株式会社シオラボの小澤です。前回の「今からはじめる Microsoft Azure」では、Microsoft Azureの概要や魅力、その利用ケースなどを具体的に紹介しました。今回のコラムでは、Microsoft Azureを「高可用性」という観点から紹介したいと思います。

2. Azureグローバルインフラストラクチャ

まずは、Microsoft Azureグローバルインフラストラクチャについて理解を深めましょう。Microsoft Azureグローバルインフラストラクチャは、2020年4月現在、全世界で58か所のリージョンを持ち、140か国で利用可能することができます。他のどのクラウドプロバイダーよりも多くのグローバルリージョンを持ち、世界中で使用できるように必要なスケールが提供されています。リージョンは地域ごとに分かれており、その地域においては、データの保存場所、主権、コンプライアンス、回復性に関する要件が地域的な境界内で確実に遵守されています。日本国内には東日本と西日本の2つのリージョンが設置されています。東日本リージョンと西日本リージョンを使用した場合、それらのデータは日本国内に保存されます。全世界のAzureリージョンについては、図1をご覧ください。また、各リージョンの詳細は、こちら(https://azure.microsoft.com/ja-jp/global-infrastructure/regions/)で確認することができます。

fig01

図1

3. リージョン、地域、可用性ゾーン

Azureグローバルインフラストラクチャについてさらに理解するために、リージョン、地域、可用性ゾーンについて説明しましょう。

(1) リージョン
リージョンとは、一連のデータセンターのことです。リージョンには1つ以上のデータセンターが含まれます。基本的には、待ち時間の短い(高速な)専用リージョンネットワークを介して接続されています。Azureのリージョンは世界に58か所あるので、ユーザーは、アプリケーションを近くのリージョンに対して自在にデプロイすることができます。
リージョン間は物理的に480kmの距離を取っているそうで、BCP(事業継続計画)対策にも効果を発揮します。アプリケーションやデータについて、複数のリージョンにレプリカを作成しておけば、災害が発生した場合に、アプリケーションやデータが消失するリスクを回避することができます。
ちなみに、Azureには特定のコンプライアンスまたは法的要件があるアプリケーション向けに、特別なリージョンが存在します。例えば、米国政府機関や政府機関のパートナー向けのAzure Governmentがあります。

(2) 地域
地域は、独立したマーケットを指します。地域には2つ以上のリージョンを含み、データの保存場所とコンプライアンスの境界を保持します。データの保存場所とコンプライアンスに関して特定の要件があって、例えば、データの保存場所を限定したいような場合には、地域内でペアになっているリージョンにレプリカを配置しておくと、リアルタイムに同期することができます。日本では、東日本リージョンと西日本リージョンがリージョンペアの関係になっており、日本地域に属しているのは、この2つのリージョンのみです。
また、地域は、フォールトトレランス(システムに障害が発生した場合にも正常に機能し続ける仕組み)を備えており、キャパシティが大きい専用ネットワークで接続されていることで、リージョン全体の障害に耐えられるようになっています。

(3) 可用性ゾーン(Available Zones)
可用性ゾーンは、Azure リージョン内でも物理的に分離されたデータセンターのことです。それぞれの可用性ゾーンは、独立した電源、冷却手段、ネットワークを備えた1つまたは複数のデータセンターで構成されています。つまり、図2のように、1つのデータセンターが障害でダウンした場合でも、同じ地域にあるゾーンが機能を引き継げるように、レプリケーションされる仕組みとなっています。さらに、可用性ゾーンにある仮想マシンは、99.99%のSLAが実現されています。これらによって、可用性ゾーンでは、要求の厳しいミッションクリティカルなアプリケーションを、高可用性を持って運用できます。

fig02

図2(https://azure.microsoft.com/ja-jp/global-infrastructure/regions/

このように、Azureグローバルインフラストラクチャでは、ビジネスニーズに基づいて、また、国や地域の法的要件および規制要件への準拠に照らし合わせて、アプリケーションを適切なリージョンにデプロイすることができます。さらに可用性ゾーンを使用すれば、デプロイされたアプリケーションは、仮想マシン(VM)、データセンター、リージョンの各レベルで冗長化され、高可用性のアプリケーションを構築することができます。

fig03

図3(https://azure.microsoft.com/ja-jp/features/resiliency/

今回は、Microsoft Azureグローバルインフラストラクチャの高可用性という観点について説明してきましたが、いかがでしたか?次回は、Microsoft Azureの「仮想マシン」についてご紹介します。次回もよろしくお願いいたします。

 


 

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