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第2回 クラウドコンピューティングとは (小澤昌樹) 2019年11月

1. はじめに

みなさん、こんにちは。株式会社シオラボの小澤です。「今からはじめる Microsoft Azure」の2回目です。
前回は、Microsoft Azureについて、ほんの少しだけ紹介しました。Microsoft Azureのキャッチフレーズは、「ビジネス上の課題への対応を支援するために絶えず拡大を続けるクラウドサービスの集合体」でした。Microsoft Azureは、クラウドの本質を理解しなくても使えるくらい質の高いサービスが揃っていると思います。しかし、クラウドの本質を知れば、さらに十分な活用が見込めます。そこで今回からは、Microsoft Azureをはじめとしたクラウドサービス全般の理解を深めるべく、クラウドの概念から説明していきたいと思います。おさらいになる方もいらっしゃると思いますが、お付き合いください。

2. クラウドとは

数年前まで、コンピュータシステムを構築するための機材は、自前で調達することが当たり前でした。この調達には、サーバーやネットワーク機器、回線といったハードウェアのほか、サーバーに搭載するOS、ミドルウェアなども含まれます。すべてを自前で購入し、設置や構築、運用までをおこなう形態が一般的で、もともと、この形態を使うことがコンピュータシステムを提供する唯一の方法でしたので、これを表現する言葉はありませんでした。
しかし、インターネットの普及と、通信の高速化、ハードウェアリソースの低価格化などから、設置や運用をアウトソーシングすることが実現可能となってきます。2000年代前半のことです。さらには、2006年あたりに「クラウドコンピューティング」という言葉が提唱され、社会的に認知されてきたことで、従来の、機材を自前で調達する形態を「オンプレミス」と呼び、区別するようになります。一方、クラウドコンピューティングは、「クラウド」と略して呼ばれるようになりました。ちなみに、「クラウドコンピューティング」という言葉は、1996年コンパック社の内部資料で初めて使われたと言われています。
クラウドでは、ストレージやCPU、メモリなどのハードウェアリソースを自分のハードウェアとして持つのではなく、クラウドサービスとして提供しているベンダー(プロバイダ)から借りて使います。料金はそれを使用した分だけ支払います。クラウドサービスを提供している会社はいくつかありますが、このコラムで取り上げるAzureを提供するMicrosoftのほか、AmazonやGoogleを思い浮かべた人もいることでしょう。クラウドプロバイダは、物理的なリソースを貸し出すだけでなく、その状態を最新に保つ責任も負っています。

3. クラウドのメリット

それぞれのビジネスで、ニーズと要件は異なります。小規模のスタートアップと大規模エンタープライズ企業では、ビジネス環境が異なることは言うまでもありません。しかし、クラウドは、柔軟でコストパフォーマンスに優れているので、どのようなビジネス環境においても、クラウドを採用することでメリットが出てくるはずです。
クラウドを採用することは、次のようなメリットがあります。

(1) コストパフォーマンスに優れている
(2) スケーラブルである
(3) 弾力性に優れている
(4) 最新の状態が維持される
(5) 信頼性に優れている
(6) グローバルである
(7) セキュリティで保護される

次回、これらのメリットについて、詳しく説明していくことにしましょう。次回もよろしくお願いいたします。

 


 

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