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前回の最後に、「インフラエンジニアのこれから」と題したセミナーに触れましたが、その際のセミナーレポートが公開されました。当日の様子を簡潔にまとめていただいていますので、興味のある方はご参照ください。
このセミナーでは、OpenStackによるプライベートクラウド環境を題材として、IaaS(Infrastructure as a Service)タイプのクラウドの利用方法、そして、このようなクラウドインフラを構成する技術要素について解説を行いました。今回は、このセミナーでお話した中から、「インフラ技術を学ぶ際のポイント」について、少しご紹介したいと思います。
当日の発表資料の中で、OpenStackを構成する技術要素として図1を紹介しました。さまざまなコンポーネントが組み合わされた複雑な構成に見えますが、それぞれで使われている技術は、決して特別なものではありません。インフラに関わるエンジニアであれば、一度は聞いたことがある、あるいは、実際に利用したことのある技術が多数あります。比較的新しい技術としては、「Open vSwitch/OpenFlow」があります。しかしながら、前回のコラムで説明したように、これも既存のネットワーク技術の延長と捉えることが可能です。
図1 OpenStackを構成する技術要素
つまり、クラウドとは、これら基礎的なインフラ技術を組み合わせて構成されたシステムと言えます。多数の基礎技術を絶妙に組み合わせることで、魔法のように自動化されたインフラが実現されるというわけです。
この事から分かるように、クラウドインフラの仕組みを根本から理解するには、幅広いインフラ技術に精通する必要があります。OpenStackのようなオープンソースを利用してクラウドインフラを学ぶことは、サーバ/ネットワークのさまざまな技術要素を徹底的に理解する、とてもよい機会を与えてくれることでしょう。
かつてITエンジニアの教育において、「T字型スキル」という表現が用いられていました。専門分野を1つ決めて深く学び、それ以外は広く浅く知識を身につけようという発想です。しかしながら、十分に定型化された「鉄板構成」のシステムでもなければ、各パーツの専門家だけが集まってもシステム構築はうまくはいきません。
とりわけ、クラウドインフラのような新しいアーキテクチャの世界では、あらゆるパーツを深く理解した、「広く深い知識」を持ったエンジニアの力が必要です。これからクラウドに関わろうというエンジニアの方には、「T字型」のようなケチな事は考えずに、あらゆる技術に興味を持って、徹底的に学んでほしいと考えています。
冒頭のセミナーの中では、インフラ技術を学ぶ際のポイントして、図2のチャートを紹介させていただきました。オープンソースが世の中に広がる中、個人で入手できる専門的な技術情報は、どんどん増えています。x86サーバと仮想化技術の進化により、個人で所有できる機材だけでも検証環境を構築して、実際の動作を追いかけることができます。IT技術の進化は、エンジニア個人の能力を高める上でも大きな役割を果たしていると言えます。自らの行動力と論理的思考力でどこまで理解を深めていける、そんな状況を思う存分に有効活用したいものですね。
図2 インフラ技術を学ぶ際のポイント
ご存知の方も多いと思いますが、今週は、香港でOpenStack Summitが開催されています。残念ながら、筆者は参加することができなかったのですが、その代わりに(?)レッドハットのエンジニアが数名、香港からの帰路、東京に立ち寄ってくれることになりました。そして、なんと!彼らの発案で「Gluster Cloud Night」と題した勉強会を開くことが決まりました。
次回は、こちらの勉強会の様子を報告したいと思います。
++ CTC教育サービスから一言 ++
このコラムでLinuxや周辺技術の技術概要や面白さが理解できたのではないかと思います。興味と面白さを仕事に変えるには、チューニングやトラブルシューティングの方法を実機を使用して多角的に学ぶことが有効であると考えます。CTC教育サービスでは、Linuxに関する実践力を鍛えられるコースを多数提供しています。興味がある方は以下のページもご覧ください。
CTC教育サービス Linuxのページ
http://www.school.ctc-g.co.jp/linux/
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