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第21回 「LinuxCon Japan 2013」の会場から (中井悦司) 2013年6月

はじめに

 先週は、東京の椿山荘ホテルで開催された「LinuxCon Japan 2013」に参加してきました。最終日に行われた「Gluster Workshop」という一日コースでは、筆者からは、GlusterFSとSambaを組み合わせて利用する話題のプレゼンを行いました。この話題は、本コラムの第19回でも紹介していますが、当日のプレゼン資料を公開していますので、併せて参考にしていただければと思います(*1)。
 参加者の一人から、「中井さんのプレゼンは、英語でも日本語でも分かりやくていいですね!」と声をかけていただけたのが何よりでした。当日までに、こっそりと10回ぐらいリハーサルをしていたのは内緒ですが(笑)。ちなみに、個人のBlogで「プレゼンが上達するために心がけていること」というエントリを公開していますので、こちらも参考になれば幸いです。

日本企業におけるLinuxスキルの重要性

 LinuxCon全体の様子については、Webメディアでさまざまなレポートが公開されており、みなさんも読まれていると思います。Linusの「I was young...」という発言が妙に取り上げられていますが、筆者には、学生のプレゼンを集めた「LinuxCon Staging」というプログラムが印象に残りました。このプログラムの冒頭では、安定版カーネルのメンテナを長く続けているGreg Kroah-Hartmanから、カーネル開発の全体の流れが説明されるなど、「新しく開発に参加する若者を増やしたい」という気持ちが強く感じられました。
 当日、日本のLinux Foundationの関係者とお話する機会もあったのですが、日本企業でもLinuxへの取り組みを強化する中で、優秀な人材の確保が課題になることが増えているそうです。日本の企業では、伝統的に、新卒採用が人材確保の主軸のため、中途採用による優秀な人材の確保が難しいという面もあります。したがって、学生の間に高度なLinuxの技術を身につけてもらうことは、より重要な課題と言えるのかも知れません。
 ちなみに、日本企業が新卒採用を重視する背景には、「自社の独自スキル」を身につけた人材を重視するという特性が考えられます(*2)。吸収力の高い新卒の人材に対して、社内で独自の教育を行なっていくという考え方です。しかしながら、「Linuxに強い人材の確保」が課題になるという事実を見ると、日本企業においても「広く業界で通用するスキル」の重要性が高まっていると考えられそうです。
 もちろん、Linuxのようにオープンな技術であれば、特定の企業に就職しなくとも、学生の間から、自分の意思でスキルを高めていくことが可能です。本コラム第17回の冒頭では、大学院生向けの講義を紹介しましたが、これからも、学生の方に向けた技術情報の発信について、積極的に取り組んでいきたいと思います。

次回予告

 今回は、LinuxConから話が広がって、クラウドとはあまり関係ない話題になりました。次回は、大量のサーバを自動構成する、構成管理ツールの話題をお届けします。「Puppet」や「Chef」など、話題のツールの説明を読むと、「宣言型」「冪等性(べきとうせい)」と言った、小難しい用語が登場します。しかしながら、その背後にある動作原理が分かれば大丈夫です。これらの意味をすっきりと理解して、自動化ツールを使いこなしていきましょう。

参考資料

*1)「GlusterFS CTDB Integration
 LinuxCon Japan 2013「Gluster Workshop」での筆者の発表資料です。

*2)「若年者就業の経済学」太田 聰一(日本経済新聞出版社)
 若年層の雇用問題について、新卒採用を重視する企業特性と日本の経済状況の変化の観点から解説した書籍です。欧米企業との表面的な比較ではなく、統計学的な裏付けを伴った論理的な説明がなされています。

 

++ CTC教育サービスから一言 ++
このコラムでLinuxや周辺技術の技術概要や面白さが理解できたのではないかと思います。興味と面白さを仕事に変えるには、チューニングやトラブルシューティングの方法を実機を使用して多角的に学ぶことが有効であると考えます。CTC教育サービスでは、Linuxに関する実践力を鍛えられるコースを多数提供しています。興味がある方は以下のページもご覧ください。
 CTC教育サービス Linuxのページ
 http://www.school.ctc-g.co.jp/linux/
 

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