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オープンソース界隈では定番のイベントですが、先週末は、「オープンソースカンファレンス2013 Tokyo/Spring」に参加してきました。ちょうどよい機会ということで、「OpenShift」について紹介させていただきました(*1)。
PaaS環境を構築するインフラ技術に興味のある方、そして、アプリケーション開発者としてPaaSを利用することに興味のある方、それぞれに関心ごとや前提知識が異なるので、なかなか説明が難しいエリアですが、実機デモを交えながら、なるべく全体像が伝わるように解説させていただきました。
本コラムでも、OpenShiftの実際の「使用感」をお伝えしながら、解説をすすめていきたいと思います。
みなさんは、これまでに「OpenShift」の名称を耳にしたことはあるでしょうか? OpenShiftが発表されたのは、意外と古く、2011年5月まで遡ります。OpenShiftの祖先(?)は、Makara社がインターネット上で提供していたPaaSサービスです。2010年の年末にMakara社を買収したRed Hatは、翌年にサービスの名称を「OpenShift」に変更しました。
ただし、この時点では正式なサービスではなく、リソース制限付きの無償利用枠のみを提供していました。この後、Red Hatは、OpenShiftの機能拡張を続けながら、OpenShiftを構成するソフトウェアをオープンソースとして公開する準備を進めてきました。そして、昨年、ついに「OpenShift Origin」というプロジェクトが立ち上がりました。
これは、OpenShiftのソースコードをオープンソースとして公開して、コミュニティモデルで開発を継続していくプロジェクトです。将来的には、OpenShift Originをアップストリームとした、有償サポート付きの商用ディストリビューション「OpenShift Enterprise」の提供も計画されています。最終的には、OpenShiftを利用したいユーザには、次の3つの選択肢が用意されることになります。
OpenShiftによるPaaS環境は、Webアプリケーションの開発・実行環境を提供します。PaaSサービスの中には、独自の開発フレームワークを提供するものもありますが、OpenShiftは、従来から広く使われてきた開発言語や開発フレームワークをそのまま利用できるという特徴があります。
標準で対応する言語は、Ruby、Python、Perl、Java(Tomcat/JBoss)、PHP、Node.jsなどがあります。Linuxで動く言語なら自分で追加することも可能です。RoR、Django、Dancerなどのフレームワークも自分で追加して利用することが可能です。その他には、次のような特徴があります。
今回は、OpenShiftの概要と特徴を紹介しました。次回からは、実際の利用方法を紹介しながら、併せて、内部のアーキテクチャなども説明していきます。OpenShift Originで独自環境を構築するには、少しばかり手間が掛かりますが、OpenShift Onlineを利用すれば、いつでもすぐに利用を開始できます。
利用者向けのマニュアルが公開されていますので(*2)、まずは、「Getting Started Guide」に従って、ユーザ登録とクライアントツールのインストールを進めてみてください。
*1)「試して学べるクラウド技術! OpenShift」
「オープンソースカンファレンス2013 Tokyo/Spring」で発表した資料です。
*2)「OpenShiftユーザマニュアル」
OpenShiftのPaaS環境を利用するユーザ(開発者)向けのマニュアル群です。
++ CTC教育サービスから一言 ++
このコラムでLinuxや周辺技術の技術概要や面白さが理解できたのではないかと思います。興味と面白さを仕事に変えるには、チューニングやトラブルシューティングの方法を実機を使用して多角的に学ぶことが有効であると考えます。CTC教育サービスでは、Linuxに関する実践力を鍛えられるコースを多数提供しています。興味がある方は以下のページもご覧ください。
CTC教育サービス Linuxのページ
http://www.school.ctc-g.co.jp/linux/
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