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前回は、クラウドネイティブのキーワードの1つである疎結合の、回復性について説明しました。今回は、疎結合の管理力について説明します。
疎結合では、システム内の各コンポーネントが独立しており、コンポーネント間の相互作用が限定的であることを指します。
アプリケーションをモジュール化し、独立したコンポーネントを組み合わせることで、モジュール性(modularity)と拡張性(scalability)が向上します。これにより、アプリケーションの一部を更新・交換する際に、他の部分に大きな影響を与えずに済みます。 また、各モジュールが独立して機能するため、システム全体の監視(monitoring)とロギング(logging)が重要です。これらの要素を適切に管理することで、システムの正常な動作を維持し、問題が発生した場合に迅速な対処が可能になります。
モジュール性は、システムを独立した部分(モジュール)に分割できる程度を示しています。疎結合システムでは、各モジュールは他のモジュールとの相互作用を最小限に抑え、独立して機能します。これにより、各モジュールの設計、開発、テスト、保守が容易になり、全体のシステムの複雑さが軽減されます。また、モジュール性が高いシステムは、再利用可能なコンポーネントを持っているため、新しい機能や変更が容易に実装できます。 各モジュール間の通信に宣言型 APIを使用することで、アプリケーションの拡張や統合が容易になります。
拡張性は、システムが新しいモジュールや機能を追加し、拡大する能力を指します。疎結合システムは、各モジュールが独立して機能するため、システム全体のパフォーマンスや安定性に影響を与えることなく、新しいモジュールを追加したり、既存のモジュールを変更・削除できます。これにより、システムは柔軟に拡張可能であり、変化する要求に対応しやすくなります。
疎結合システムのモジュール性と拡張性は、システム開発者が効率的にソフトウェアを設計、開発、保守できるようにする重要な要素です。これらの特性は、システムの維持コストを低減し、長期的な信頼性と安定性を向上させる効果があります。
監視は、システムのパフォーマンスやリソースの利用状況、サービスの可用性、エラー率などの指標をリアルタイムで追跡・評価するプロセスです。疎結合システムでは、各モジュールの監視を個別に行い、システム全体の健全性を確認することが重要です。監視ツールを使用して、異常な動作やパフォーマンスの低下を検出し、問題の原因を特定し解決できます。
ロギングは、システムやモジュールが実行中に生成するログデータを収集・管理するプロセスです。ログデータには、情報メッセージ、警告、エラー、アクセス履歴などの重要な情報が含まれており、システムの問題解析やパフォーマンスの最適化に役立ちます。疎結合システムでは、各モジュールが独立してロギングを行うため、一元化されたログ管理システムを使用して、全てのログデータを一か所で分析・管理することが推奨されます。
今回は、疎結合の管理力のうち、モジュール性、拡張性、監視、ロギングについて説明しました。疎結合システムは複数のアプリケーションを結合するため、これらの要素が重要になります。
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