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第18回 キーバインドできる機能について知ろう(4) (宮崎悟) 2020年5月

前回は、補完コマンドについて説明しました。今回は、よく使用するその他のキーバインド用コマンドについて説明します。

その他のキーバインド
  • re-read-init-file (C-x C-r) readlineの初期設定ファイル ~/.inputrc、 もしくは /etc/inputrc ファイルの内容を再読込みします。読み込んだファイル中の、割り当てや変数設定を取り込みます。

  • abort (C-g) 現在の編集行の内容を捨てて、端末のベルを鳴らします

  • afprefix-meta (ESC) 次に入力される文字を、 メタ文字と共に入力されたことにします。 ESC f は Meta-f と同じ意味です。

  • undo (C-_, C-x C-u) 行の編集に対し、インクリメンタルなアンドゥ(取り消し)を行います。行の編集履歴は行ごとに別々に記憶されています。

  • revert-line (M-r) この行に対して行った変更を全て取り消します。

  • tilde-expand (M-&) 現在の単語についてチルダ展開(ユーザのホームディレクリの展開)を実行します。

    $ ls ~[M-&]
     ↓
    $ ls /home/user
  • set-mark (C-@, M-<space>) ポイントにマークを設定します。 数字の引き数が与えられた場合には、 マークはその位置に設定されます。

    $ echo abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
                ↑[gのポイントでC-@]
                 (gがマーク)
  • exchange-point-and-mark (C-x C-x) ポイントをマークと入れ換えます。 保存されている位置が現在のカーソル位置になり、 古いカーソル位置がマークとして保存されます。

    $ echo abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
                                 ↑[xのポイントでC-xC-x]
                ↑(gのマークにポイントが移動)
                                 ↑(xが新しいマーク)
  • character-search (C-]) 文字を 1 つ読み込み、 その文字が次に現われる場所へポイントを移動させます。 負のカウントを与えると、その文字が前に現われた場所を探します。

    $ echo abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
     ↑[eの位置でC-]]
              ↑(eの位置にポイントが移動)
  • character-search-backward (M-C-]) 文字を 1 つ読み込み、 その文字が前に現われた場所へポイントを移動させます。 負のカウントを与えると、その文字が次に現われる場所を探します。

    $ echo abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
                        ↑[oの位置でC-]]
        ↑(oの位置にポイントが移動)
  • insert-comment (M-#) 数字の引き数を指定しない場合、readline の comment-begin 変数の値(通常は「#」)が現在の行の先頭に挿入されます。

    $ ls[M-#]
     ↓
    $ #ls
    $ 

    数字の引き数を指定すると、insert-comment はトグル状に動作します。 つまり行の先頭の文字が comment-begin の値にマッチしない場合には、その値が挿入されます。マッチする場合には、comment-begin の文字が行の先頭から削除されます。 いずれの場合も、改行が打ち込まれたのと同じように行の入力が完了します。

    $ #ls[M-1M-#]
     ↓
    $ ls
    image1.jpeg image1.png image2.png image3.png photo.png

    comment-begin のデフォルト値によって、 このコマンドは現在の行をシェルのコメントとします。 数字の引き数を指定したことでコメントの文字が削除されると、 行はシェルにより実行されます。

  • display-shell-version (C-x C-v) 現在実行している bash のバージョン情報を表示します。

    $ ls[C-xC-v]
    GNU bash, version 4.4.20(1)-release (x86_64-pc-linux-gnu)
    $ ls
  • dump-functions 全ての関数とそのキー割り当てを、 readline の出力ストリームに出力します。 数値の引き数を与えると、 出力は inputrc に書き込める形へ整形されます。

  • dump-variables 全ての設定可能な readline の変数とその値を、 readline の出力ストリームに出力します。 数値の引き数を与えると、出力は inputrc に書き込める形へ整形されます。

  • dump-macros マクロに割り当てられた readline のキーシーケンスとマクロが出力する文字列をすべて出力します。 数値の引き数を与えると、出力は inputrc に書き込める形へ整形されます。

終わりに

今回はよく使用するその他のキーバインド用コマンドについて説明しました。次回は、履歴について説明します。次回をお楽しみに。

 


 

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