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第6回 Hyper-Vの仮想ネットワーク アダプター (小塚大介) 2013年7月

 前回は仮想スイッチを取り上げましたので今回は仮想ネットワークアダプターについてご説明します。仮想ネットワークアダプターは仮想マシンがネットワーク通信するために必須のデバイスで、Hyper-V上でシステムを構築する際に重要な要素となります。是非使い方をマスターしてください。

仮想ネットワーク アダプターは2種類

 Windows Server 2012に搭載されているHyper-Vでは[ネットワークアダプター]と[レガシネットワークアダプター]の2種類の仮想ネットワークアダプターが用意されています。前者は仮想マシンに統合サービスがインストールされている場合に利用可能なネットワークアダプターで高いパフォーマンスを発揮します。一方後者は統合サービスがインストールされていなくても利用可能ですがパフォーマンスは劣ります。
 どのように使い分けるかというと、通常は仮想マシンに統合サービスをインストールして[ネットワークアダプター]を利用することになります。これで問題なければ、2種類のアダプターを利用する必要はないでしょう。ただ、例えばPXEブートなど、仮想マシン上でOSが立ち上がる前にネットワークに接続する必要がある場合には[レガシネットワークアダプター]の出番となります。

 仮想マシンの運用において、1つの仮想マシンに対して複数の仮想ネットワークアダプターを接続することもできます。仮想マシン上のOSから見れば複数枚のNICが差さっているのと同じなので、特に仮想環境だからと言って特別意識をせずに物理環境と同様に利用することが可能です。

仮想ネットワークアダプターの追加方法と多様な機能

 仮想マシンへの仮想ネットワークアダプターの追加は、Hyper-Vマネージャーを使って仮想マシンの設定画面から行います。左ペインの最上部にある[ハードウェアの追加]をクリックすると新しく追加する仮想デバイスを選択できるので、[ネットワークアダプター]または[レガシネットワークアダプター]を選んで追加ボタンをクリックします。すると左ペインに新しいネットワークアダプターが追加されます。ここで2つ追加すると、仮想マシンの中からもネットワークアダプタが2つ追加されたように見えるわけです。

fig01

 新しく追加したネットワークアダプターは仮想スイッチに接続していませんので、接続する仮想スイッチを選択する必要があります。また、VLANを利用する場合は、この画面で有効化し、VLAN IDを指定する必要があります。なお、どの仮想スイッチにも接続しないまま仮想マシンを起動すると、OSはケーブルが接続されていない状態であると認識します。

fig02

 さらに仮想ネットワークアダプターの高度な機能として、MACアドレスの指定や、DHCPガード、ルーターガードなどのセキュリティ機能、ポートミラーリングなどを設定可能です。また、仮想マシンに複数の仮想ネットワークアダプターを接続して、仮想マシン上でNICチーミングを実現するためのオプションも提供されています。

※これらの機能の詳細はこちらを参照してください。

fig03

便利な帯域制御機能

 レガシではないネットワークアダプターについては帯域幅制御の機能が搭載されています。1台の物理サーバー上に仮想マシンが集約されていくと、特定の仮想マシンの通信によってネットワークの帯域を圧迫させる可能性もあります。このような状況が想定される場合には、この機能を使って仮想マシンが利用できる帯域幅の最小・最大を指定することが可能です。ただし、この帯域制御は仮想マシンから外に出ていくパケットのみ制御可能で、外から仮想マシンに向かうパケットについては制御されませんので注意してください。例えば、仮想マシンで構築されたWEBサーバーから大きなファイルをダウンロードする場合は帯域制御されますが、WEBサーバーにアップロードする場合には制御されません。

 この帯域制御機能は、仮想マシンが実行中でも設定を変更することができます。よって、既に稼働しているHyper-Vのネットワーク運用にはとても便利な機能ですし、また、システムのテスト環境では、サーバー間のネットワークにボトルネックが発生した場合などを気軽にシミュレーションすることができます。

fig04

ファイルコピー中に帯域制御の設定変更が可能

 Hyper-Vでは、今回ご説明した2種類の仮想ネットワークアダプターと、仮想マシンに設定可能な様々なネットワークの機能を提供することで、多様なシステム要件に対応しています。
 また、今回は詳細を扱いませんが、最新の機能を持ったハードウェアと連携することで、さらに高いネットワーク性能を発揮するハードウェアオフロード機能も利用可能です。これらの機能はハードウェアに依存するため、すべての環境で必須というものではありませんが、大規模なシステムや性能要件の厳しいシステムを構築する場合には必要になってくるでしょう是非、最新のネットワーク機能を搭載したHyper-Vを使ってシステムを構築してみてください!

 


 

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