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みなさんこんにちは。株式会社パイプラインの濱田です。Windowsにはファイルとフォルダという概念がありどのフォルダにどんなデータが格納されているかの規則性があります。また、Linux(UNIX系OS)も同様に、ディレクトリ構造の決まりごとがあり、命名規則や格納されるべきデータの標準として、FHS ( Filesystem Hierarchy Standard ) という仕様があります。
FHSのお約束を無視して好きなディレクトリを作成したり、ファイルを好きなディレクトリへ配置したりすることもできるのですが、複数のユーザーが同時にログインして利用することが前提のLinuxやUNIXにおいて、これではどのファイルがどこに配置されているのかを推し量ることができずに困ってしまいます。また、1人のユーザーが複数のLinuxやUNIXのホストを利用することもありますので、やはりディレクトリ構成が整理されていることは重要です。
Filesystem Hierarchy Standard( ファイルシステム ヒエラルギー スタンダード、FHS、ファイルシステム階層標準 )は、Linuxを含むUnix系オペレーティングシステム (OS) での主なディレクトリとその内容を定めたもので、本稿執筆時点において、バージョン3.0 (https://refspecs.linuxfoundation.org/FHS_3.0/fhs-3.0.pdf) が最新となっています。
大まかな要件として、/ (ルート) ディレクトリには、以下のディレクトリまたはディレクトリへのシンボリックリンクが必要となっています。
ディレクトリ | ディレクトリ |
---|---|
/bin | 基本的なコマンド バイナリが格納される |
/boot | ブートローダーの静的ファイルが格納される |
/dev | デバイスファイルが格納される |
/etc | ホスト固有のシステム構成ファイルが格納される |
/lib | 重要な共有ライブラリとカーネル モジュールが格納される |
/media | リムーバブルメディアのマウントポイント |
/mnt | ファイルシステムを一時的にマウントするためのマウントポイント |
/opt | アドオン アプリケーション ソフトウェア パッケージが格納される |
/run | 実行中のプロセスに関連するデータが格納される |
/sbin | 重要なシステム バイナリが格納される |
/srv | 自システムが提供するサービスに関するデータが格納される |
/tmp | 一時ファイルが格納される |
/usr | 二次階層 |
/var | 可変データが格納される |
上記ディレクトリの他にも、覚えておきたいディレクトリについて補足します。
ホームディレクトリとは、コマンドライン(コンソールやSSH)からログインした際、最初に表示されるディレクトリのことを指します。グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)でログインした際はデスクトップディレクトリが表示されますが、必ずしもデスクトップディレクトリがホームディレクトリではないことに注意が必要です。
一般ユーザー(rootではないユーザー)のホームディレクトリは、通常 /home の下にそれぞれのユーザー名のディレクトリが作成されます。例えば、 nullpopopo ユーザーのホームディレクトリは /home/nullpopopo です。また、rootユーザーのホームディレクトリは /root として作成されます。
/etc ディレクトリの直下は、システムで使用する設定ファイルや、アプリケーションの設定ファイルが配置されます。1つのアプリケーションが複数の設定ファイルを使用する場合は、そのアプリケーションの名前でサブディレクトリが作成されることもあります。
/tmp ディレクトリは、以下2つの特徴がある特殊なディレクトリです。
ログファイルやキャッシュ、システムがクラッシュしたときのダンプファイルや、印刷やメールのスプールやデータベースのメタデータなどが格納されます。
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