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第26回 エンジニアと学び (最終回) 運用エンジニアとして学び続けるということ (濱田康貴) 2019年12月

みなさんこんにちは。クラウド時代のサーバー運用入門として25回にわたって様々なテーマを取り上げてきましたが、今回は運用エンジニアとして学び続けるということについて、総括してみたいと思います。

そもそも運用エンジニアは何を学ぶべきなのか

まず結論から申し上げますと、UNIXコマンドとTCP/IPについて、それらが文中に含まれる書籍を正しく苦労なく読めるレベルまで学ぶのが最良です。

私はかつて、20年ほど前にADSL開通業務からエンジニアデビューしましたが、今ではADSLを最初から回線の選択肢に入れるケースは少なく、広帯域を求める光回線か、設置撤去の容易なモバイルWi-Fiを選択するほうがメジャーです。

幸い、私の場合は早い段階で5年10年とADSLエンジニアとしてやっていけるか?と自問自答できたのでサーバーエンジニアに転じましたが、その当時は仮想化技術もそれほど浸透しておらず、月間PV数が個人ブログ程度の企業サイトでさえ、データセンターに1台の専用サーバーを借りて運用していたのです。初期費用が10万円近くして、月額費用も1万円程度です。今でしたら間違いなく最安のVPSで事足りますが、当時はこのような選択肢はありませんでした。しかし今ではご存知のようにVPSやクラウド、クラウドに至ってはIaaSのみならずFaaS(Function as a Service)が、そしてコンテナも当たり前のように選択肢に入っています。

しかし、UNIXコマンド、TCP/IPによる通信など、基礎・基本となる技術は、少しずつ形を変えることはあっても、明日いきなり廃れるということはなく、これらの技術を学ぶということはエンジニアの基礎体力として自身の血肉となるのです。

少なくとも、エンジニアの基礎体力となるスキルについては、普遍(not不変)の原理原則として学んでおきたいものです。そして、普遍的なスキルセットを自身の血肉にできれば、その上で動くアプリケーションが抽象化されていても「ああ、この技術の応用なのだな」と理解を早めることができるのです。

技術スキルと同時に伸ばすべきスキルセットは何だろう?

前章では、運用エンジニアとして伸ばすべき技術の原理原則について触れました。一方で技術スキルがどんなに優れていても、それを正しく言語化できていないが故に、本来受け取れるはずの報酬を得られていないエンジニアが多いのもまた事実です。

エンジニアが忌み嫌う「口だけ」は論外ですが、一方で何も言わない何も聞かないというのもそれはそれで極端です。エンジニアは目の前の技術的課題を解決することに集中しがちですが、これをいつまでにどれだけコストをかけてよいのか、そもそも優先順位はどうなのか、ということをついつい置き去りにしてしまいがちです。これを正しく整理していくのがリーダーでありマネージャーです。

一方で、すぐれたエンジニアがすぐれたリーダーやマネージャーになれるか、といえば必ずしもそうではなく、また、オペレーターからエンジニア、エンジニアからエキスパート、エンジニアからリーダーになるためのロールモデルがきちんと整備されておらず、会社や現場によって求められるスキルセットもまちまちです。

また、リーダーシップを養成するスクールや書籍は数え切れないほど世の中に存在しますが、フォロワーシップやチームビルド、チームワークに関して深く掘り下げた教材が少ないとも感じており、今後こうしたコンテンツの拡充が必要ではないでしょうか。本コラムは次回より「make yourself comfortable」というタイトルで、チームビルド、プロジェクトマネジメント、スキルアップのための学習術、Linuxシェルプログラミングについて取り上げていきたいと思います。

 


 

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