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第16回 新人エンジニアに贈る、職場に馴染むためのベストプラクティス (3) (濱田康貴) 2019年4月

みなさんこんにちは。これからエンジニアとして就職される方は期待と不安が入り混じっているかと思います。今回は職場に馴染む、というよりもエンジニアとして伸びるための習慣について取り上げてみたいと思います。

最初はできなくて当たり前

ある程度の経験を重ねたり裏付けのある知識を得たりするまでは、上司や先輩、お客様からの期待が世の中のすべてのように捉えがちです。もちろん1つ1つのタスクを無事故でこなすに越したことはありませんが、最初から過度な期待で無理難題を新人に押し付けることは現場にとっても損失ですので、気負わず取り組みましょう。
また、学校などで学んだ知識は「基礎体力」です。基礎体力があった上でのわからないことは、すなわち「応用」の経験を踏んでいないだけです。これは1つ1つの経験を積み重ねて伸びていけばよいので、やはり気負わずに取り組みましょう。

「できない」「わからない」と向き合う方法

与えられたタスクの中には、今のご自身にとって「できない」「わからない」にぶつかることがあるかと思います。しかし、エラーログを穴があくほど見つめたところで、その意味を理解しなければ解決できませんし、やみくもに手を動かしても事故を誘発してしまいます。
よく「5分考えてわからなかったら聞いて」と言われることがあるかと思いますが、この5分間を上手に使えるエンジニアは確実に伸びます。仮に将来、今の自分が持っている技術が陳腐化しても、「できない」「わからない」と正しく向き合えれば、新たな技術をキャッチアップするにもストレスが少なくなります。


「5分間考える」をハックしよう

先ほどの「5分考えてわからなかったら聞いて」を掘り下げてみましょう。単に「5分間何もせずに聞きに来ました」はあまり感心できません。5分間の間にどう考えればよいか、考えてみましょう。

最初の1分で、指示の内容を理解する
  1. 作業着手前がどういう状態なのか
  2. いつまでに
  3. どういう手段で (あるいは、手段は問わないのか)
  4. 作業後にどういう状態になって欲しいのか
  5. 制約条件は?

まずこれを理解してください。ここがわからないまま、残りの4分何を考えても、いきなり作業に着手しようとしても、手戻りが増えたり事故がおきたりします。他の質問ならまだしも、「そもそも何をやるべきなのか」という質問は、5分といわず最初の1分でわからなければ質問しましょう。もちろん、ベストは作業指示があったその場で復唱することです。そこで作業内容が理解できれば、8割できたも同然です。

指示の内容は理解した。しかし手順がわからない。

作業指示の内容が理解できたら、次の判断は2つです。

  1. Know Howがあるかどうか
  2. Know Howがなければ、Know Who。つまり、誰がこの作業をできるのか

ノウハウが手順書としてまとめられているのなら、それを見ながら作業すればよいだけですので、淡々と作業をすすめ終了報告をします。手順書がないか、あるいは自分で手順を考えてやってくれと言われたのであれば、検索エンジンなどを使い、一般的なナレッジからゴールを導き出します。
しかし、5分検索しても正解にたどり着く自信がない場合、社内やチーム内に有識者がいるかどうかを探します。ここまでの「5分間考える」という作業で「私はこの作業についてわからないのだ」と理解できたら、作業指示を出した人に聞きにいきましょう。


「わかりません」の伝えかた

単に「わかりませんでした」と報告しても、作業を依頼した人は困ってしまいますし、「5分間考えました」とだけ報告されても、単に「わかりませんでした」とだけしか報告されていないのと一緒で、これも困りものです。また、せっかく一生懸命調べたことを報告しても、そもそもの作業指示の理解を間違っていたら、5分間を無駄に使ってしまったことになります(無駄な時間が5分で済んだという理解もできますが)。
では、どうしたら正しく「わかりません」を伝えることができるか、実例を挙げてみましょう。
あなた「課長、先ほどの指示のありました"●●を■■にする"という作業ですが、やり方がよくわかりませんでした。手順書がすぐに見当たらないので検索してみたらこのページがhitしたのですけれども、このやり方であっていますか?」
課長「そのやり方では■■になるけど、別に▲▲の手順も必要だよ。手順書はファイルサーバーに"■■の手順.docx"と"▲▲確認方法.pdf"いうファイルがあるから、その通りに作業してみて。わからなかったらもう一度聞きにきて。」
このように、目的を理解しているか、どこまで調べたかを簡潔に報告することで、作業指示を出した人はどうアドバイスしてよいかが明確になり、正しいヒントを一撃で与えてくれるようになります。

まとめ

今回取り上げた「できない」「わからない」に対する取り組み方は、よい習慣として身につけてください。大事なのは

  1. 依頼内容(目的)を正しく理解できているか
  2. 何がわからないのか、を言語化できるのか

たった2つです。少ない情報から相手の希望を察するというのは精神的に大きなストレスを与えます。質問の仕方1つで、これらのストレスを下げ、気持ちよく仕事ができるようになります。

 


 

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