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この設計ガイドでは、低コストでPC更新を実現するためのキープロジェクトで使われたソリューションのアーキテクチャと実装の概要を説明します。ソリューション評価や概念実証(POC)導入の手引きとしてお使いいただけるように、シトリックスのコンサルティングサービス部門が持つアーキテクチャ設計の経験とノウハウを結集し、ラボテストを行いながら設計を完成させました。
この設計では、一般的に手に入る製品を使用するとともに、ソリューションの各構成要素の再現性のある配備、運用、管理プロセスを採用しています。
現在、かつてないほどに企業の予算が縮小傾向にあり、IT部門は、業務上重要なプロジェクトを、毎年のPC更新のようなルーチン的なプロジェクトと同等に扱うことを余儀なくされています。古いPCをシンクライアントで置き換えることは、コスト削減のための実証済みのアプローチですが、このようなコスト削減をデスクトップ仮想化およびSystem-on-a-Chip(SoC)テクノロジーによる各種の改善点と組み合わせると、シンクライアントへの移行がより魅力的なものとなります。
このキープロジェクト設計ガイドの目的は、標準的なPCよりも大幅に安い価格で提供されるCitrix® HDX™対応のSoC搭載デバイスを含む、低コストのエンドポイントデバイス向けに最適化された高性能の仮想デスクトップを構築、提供する効率的な方法を 示すことにあります。
本書で取り上げるWorldWide Corporation(略称WWCO)社は、架空の大規模コールセンター企業です。同社では、旧型のPCをエコフレンドリーで低電力のデバイスで置き換え、デスクトップを中央のサイトに移動することでコストの削減とデータセキュリティの強化を計画しているものとします。最初のロールアウトフェーズでは、500名からなるユーザーグループが特定されているものとします。
同社のIT部門は、アプリケーションのコアセットを備えた、ロックダウン型の合理化され標準化された環境を提供する必要があります。ユーザーがインストールするアプリケーションやパーソナライゼーションは必要ありません。また、IT部門は、エンドポイントデバイスのコストには非常に敏感であるものの、ユーザーエクスペリエンスに関しては妥協したくないものとします。さらに、IT部門は、コストを制御するために、これらのデスクトップを中央で一元的に管理および監視する必要があります。
これらの課題を解決するために、WWCOはCitrix® XenApp® 6.5環境を実装して、アプリケーションのコアセットを含むサーバーデスクトップ共有型をユーザーに配信することを決定しました。本ガイドの目的は、ロックダウン型のWindows®デスクトップを可能な限り低コストで、かつ最短の期間で配信する効率的な方法を構築して提示することにあります。また、情報セキュリティに関するベストプラクティスも紹介します。
WWCOのビジネス上の目標
WWCOの技術面の目標
WWCOは、本キープロジェクトの評価と設計に関する支援を受けるために、Citrix Project Acceleratorを活用しました。Citrix Project Acceleratorとは、Citrix Consulting Servicesが提供するベストプラクティスに基づいて仮想デスクトップへの移行を管理するためのオープンなWebベースのアプリケーションです。本書で示すアーキテクチャは、Citrix Project Acceleratorにより提供された、完全な低コストのPC更新ソリューションの視覚的な表現です。下記に示す物理構成図や概念図は、必要となるハードウェアやインフラストラクチャーと共に、いくつかのビジネスクリティカルなアプリケーションをWWCO社の500名のユーザーに配備した場合を表しています。
本書の説明では、以下のことを仮定しています。
ソリューションのコンポーネント
このソリューションでは以下のシトリックスコンポーネントを使用します。
これらのシトリックスコンポーネントが互いに通信し合うことにより、高性能の仮想デスクトップを低コストのHDX対応のSoC搭載シンクライアントへと配信します。このようなシンクライアントは、新しいPCの代わりに、ユーザーごとに購入する必要があります。コンポーネント間の通信に関する技術的な詳細は、付録を参照してください。
ソリューションのアーキテクチャ
Project Acceleratorは、上記の仮定に基づいて、完全な低コストのPC更新ソリューションの視覚的な表現として、図2に示すようなアーキテクチャを提供します。 このアーキテクチャは、低コストのHDX SoC搭載シンクライアントからWindowsデスクトップへのセキュアなアクセスを必要とする500名のユーザーを抱える環境に適しています。このアーキテクチャ図の各レイヤと関連するコンポーネントについて以下に詳しく説明します。
このレイヤには、Citrix Receiverソフトウェアクライアントを使用して自分の仮想デスクトップにアクセスするユーザーが含まれます。Citrix Receiverは、各ユーザーが自分の仮想デスクトップにアクセスする場合に使用する共通インターフェースを提供します。WWCO社の500名のユーザーからなるグループは、類似したデスクトップ要件を持ち、低コストのHDX SoC搭載シンクライアントから、XenApp上でホスティングされている各自のWindowsデスクトップにアクセスします。このユーザーグループは、図2では「オペレーター(Operators)」という名前で呼ばれています。
このレイヤは、Citrix Receiverを通じたXenApp仮想デスクトップへの接続の提供を担当する複数のサーバーから構成されます。アクセスレイヤは、デスクトップデリバリーレイヤ内にある複数のプールやクラスタ間での接続を制御します。通常、データセンター内でこの役割を果たすためには、StoreFront Servicesサーバーのプールが1つあるだけで十分です。
HDX SoC搭載シンクライアントからXenApp上でホスティングされているWindowsデスクトップへのアクセスを提供するには、各ユーザーを企業の Active Directoryドメインに対してセキュアに認証できるアクセスポイントが必要となります。また、同アクセスポイントでは、SSLデータ暗号化を使用してユーザーとWindowsデスクトップの対話を保護する必要もあります。リモートアクセスを提供するには、以下のコンポーネントが必要となります。
1 http://support.citrix.com/proddocs/topic/dws-storefront-12/dws-system-requirements.html
NetScaler MPXアプライアンスの使用についてはこちらを参照してください。
このレイヤは、イメージ、最適化、デリバリーメカニズムを管理します。これは、本ソリューション配備における最も技術的に複雑なレイヤです。ホステッド仮想デスクトップは、このレイヤからXenAppソフトウェアを使用して配信されます。
XenAppは柔軟なオンデマンドのデスクトップ/アプリケーションデリバリープラットフォームであり、ユーザー、仮想デスクトップ、ネットワークのタイプに基づいてデスクトップやアプリケーションを配信する最適な方式を動的に選択できます。配信方式に基づいて、IT部門は、データセンター内で一元的にデスクトップをホスティングし、そのようなデスクトップへのアクセスを、任意のエンドポイントに対して高速なプロトコルを通じて提供できます。XenAppはMicrosoft® Remote Desktop Shared Hosted(RDSH)テクノロジーをベースとしており、同テクノロジーを使うと複数のユーザーセッションで単一のWindows Serverインスタンスが提供するアプリケーションやリソースを共有できます。
WWCO社の仮想デスクトップはXenAppサーバー上でホスティングされます。ベストプラクティスとしては、n+1構成を使用することにより、1台のXenAppサーバーが故障した場合でも十分に対応できる環境を確保することを推奨します。
(後編へ続く)
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