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第3回　デスクトップ仮想化における重要なフレームワークとテクノロジ (小林伸睦) 2012年10月

　今回は、デスクトップ仮想化に取り組む上で理解しておくべき重要なフレームワークとテクノロジついて解説をします。デスクトップの仮想化はサーバの仮想化とは異なりネットワークを超えてクライアントシステムの在り方が変わるというシステムアーキテクチャの変革です。従って、このソリューションでは、新しいシステムアーキテクチャの上で、ユーザのデスクトップに対する要件をどれだけ実現できるのか、ユーザにどれだけ快適なデスクトップ環境を提供できるかという視点が非常に重要なポイントです。

デスクトップ仮想化におけるフレームワーク

　デスクトップ仮想化はサーバ仮想化とは異なりデスクトップを利用するユーザが登場します。デスクトップはユーザの手元で動作するものであり操作レスポンスや使い勝手が非常に大切です。これらは仕事の生産性そのものに直結してくるためです。従って、各ユーザのデスクトップ環境が必要とする様々な要件に応えてあげなければなりません。
　例えば、デスクトップ利用はオンライン環境のみなのかオフラインでの利用も必要なのか、保障されるべきパフォーマンスや確保すべきコンピューティングリソースはどの程度なのか、業務の性質上データセキュリティに関する要件にはどのようなものがあるのか、必要とする権限はどのレベルなのかなど多岐にわたります。こういった要件は一般的にはユーザの業種や業務内容によって異なるので、業種や業務内容のグループで区切って各要件を明確化し、各要件を実現できる仮想化技術を適用してデスクトップを展開するということになります。この考え方はデスクトップ仮想化を行い、生産性を最大化する上で非常に重要な考え方です。
　また、要件以上の技術を提供する必要はなく最適な仮想化技術を提供することで無駄なコストを省くことも可能となるのです。まずは多様なデスクトップ要件を満たすための多様な仮想化技術を理解し、要件にマッチさせるということを意識していだきたいと思います。シトリックスは、こういった多様な要件に応じて最適なデスクトップ環境できる展開するためのフレームワークを持っています。シトリックスから提供するこのフレームワークは FlexCastと呼んでおり様々な仮想化技術を含んだコンセプトを持っています。このフレームワークの詳細については下位のURLを参照ください。

　FlexCast：あらゆるタイプのユーザーに適したデスクトップを配信
　http://www.citrix.co.jp/products/xendesktop/flexcast.html

デスクトップ仮想化における重要なテクノロジ

　デスクトップ仮想化に必要な技術は仮想化という技術以外にも、重要な技術がいくつかあります。
　その中でも最も重要なもののひとつはデスクトップの操作性や使い勝手を高めるための技術です。物理PCで実現できていたことを仮想デスクトップでもできるようにすることはユーザの生産性を最大化させるという観点で重要なポイントなのです。デスクトップ仮想化は基本的にネットワークを介してデスクトップの画面情報を転送することでアプリケーション・データを利用可能にさせる仕組みであるため操作レスポンスが従来の物理PCと比べて劣るのではないかという懸念があります。
　また、従来の物理PCで利用可能であった周辺機器が仮想デスクトップ環境からも同じ操作感で利用できるかというのはユーザの視点から重要なポイントです。（勿論、逆に利用できないように制限をかけることも必要ですので、利用の可否を制御できるという点も重要な視点であります。）
　シトリックスは、非常に高い操作性、PCと同等レベルの使い勝手を小さな帯域で実現する技術をもっています。この技術の集合体を HDX（High Definition user eXperience）と呼んでおり、これらはシトリックス独自の通信プロトコルである ICAプロトコルを中心にして様々な技術要素で構成されています。詳細は以下のURLを参照ください。

　HDX｜高品位なユーザー体験
　http://hdx.citrix.co.jp/

　次回は、デスクトップ仮想化とモビリティについて解説します。