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今回から4回連載でモバイルワークスタイルを実現するための中心技術であるデスクトップ仮想化について解説します。デスクトップ仮想化は近年の経済・社会環境においてのデスクトップの在り方を最適化させるソリューションとしてIT投資の対象として頻繁に上がってくるものです。「デスクトップ仮想化によるモバイルワークスタイル」というフレーズをよく聞くようになったと思いますが、これはデスクトップを仮想化してリモートからいつでも・どこでもセキュアに仕事ができるというコンセプト・ソリューションを指しています。しかしながら、デスクトップ仮想化によって得られるメリットはこれだけではなく、現状の物理PCシステムが抱える課題の多くを一掃できるという側面も持っています。今回はこれらのポイントを5つに分けて整理したいと思います。
このポイントは先にも述べましたが、デスクトップが仮想化され、ユーザがネットワークに接続さえできればアプリケーションやデータにアクセスすることが可能となります。その為、より柔軟で効率的なワークスタイルを実現できるようになります。また機動力を高める営業スタイルを実現しつつ、いつどこにいても仕事を継続できるので事業継続の観点からも有効な仕組みともいえます。
各オフィス・拠点に分散配置された物理PCの全てのスタック(ハードウェア、オペレーティングシステム、アプリケーション)を配布しユーザのデータも含めて維持・管理していかなければならないのが今までのPCの運用です。デスクトップを仮想化すれば、サーバ上にオペレーティングシステム、アプリケーションを瞬時にプロビジョニングしユーザに提供することができるのでリモート拠点まで出向いて行う作業も削減できます。さらにオペレーティングシステム、アプリケーションをそれぞれ集約管理する仕組みやハードウェアリソース利用を自動で最適化する仕組みが整っており運用・管理のコストを削減することも可能となります。
デスクトップ仮想化に用いられる重要な技術に画面転送プロトコル技術があります。仮想デスクトップは画面情報をユーザのデバイスに転送し、ユーザデバイス上の入力・操作情報を受信するという仕組みで動作します。従ってデータがユーザデバイス上に残ったり保存されたりすることはありません。その為、デバイス自体の盗難、紛失による情報漏えいを防ぐ為のソリューションとしても利用されます。また、近年では戦略的に業務を外部組織に委託し、より広範囲の組織でデータを共有しながらプロジェクトを遂行していくケースが多くありますが、こういった環境においてデータをセキュアな状態に保つという点でもデスクトップ仮想化は有効な仕組みです。
分散コンピューティングの時代からクライアントサーバシステムのアーキテクチャが構築されてきたわけですが、両者間で転送されるデータ量の増大がパフォーマンスの劣化を生じさせることも多くなりました。この為、ユーザの生産性の低下、操作感のストレスという問題もよく見かけるようになりました。デスクトップ仮想化では、先に述べたように画面情報を転送することでデスクトップ・アプリケーションの表示を行いますが、この画面情報は差分のみ転送されるのでクライアントサーバ間に大量のデータが転送されることありません。その為パフォーマンスの改善が図られるだけでなく、大きな帯域を必要としないことからネットワークへの投資も削減可能となります。
デスクトップ仮想化によってデータセンタ側でデスクトップやアプリケーションが利用するリソース量や電源管理を制御できる為、電力消費の最適化・最小限を実現しやすくなります。また、シンクライアントやモバイルデバイスなどをクライアントデバイスとして利用することで従来の物理PCからの排熱を削減できオフィス電力節減にも貢献します。
デスクトップ仮想化は上記のように多面的な効果をもたらします。モバイルワークスタイルを実現するためだけのものではなく、多くの課題を解決することができるソリューションなのです。
次回は、デスクトップ仮想化を考える上で重要なフレームワークとテクノロジについて解説します。
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